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共同通信の世論調査で同性婚に賛成が64%、若年層で81.3%に上りました
共同通信社は11~13日、元首相秘書官の差別発言を受け、同性婚について尋ねる全国緊急電話世論調査を実施しました(回答は固定電話424人、携帯電話636人)。その結果、同性婚を認める方がよいとの回答は64.0%で、認めない方がよいの24.9%を大きく上回りました。岸田首相の「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」との国会答弁について「適切でない」との答えが57.7%、LGBT理解増進法が必要だとの答えは64.3%に上りました。同性婚に関し、年代別では若年層(30代以下)で81.3%が賛成、高年層(60代以上)では賛成が51.4%という結果になりました。
実は2021年3月に朝日新聞社が実施した電話世論調査では、同性婚を「認めるべきだ」が65%、18~29歳では86%、60代でも66%に上っていて、今回とあまり変わらない、少しポイントが高いくらいの結果でした。それでも、例えば台湾では同性婚法が施行されて3年経っても賛成が60%、法律ができる前の2016年には37.8%でしたし(『台湾同性婚法の誕生』より)、今の64%の賛成というのは決して低いわけではありません。同性婚が認められたらもっと高くなるはずです。
また、今回、政権中枢部の差別発言が問題視されてすぐに、こうして世論調査が行なわれたことにも意味があり、64%も同性婚に賛成している、社会はすでにこうなっているということを論拠として早く同性婚の法制化をと訴える声も高まることと予想されます。
2月13日夜、BS-TBSの「報道1930」では、ニュージーランドのモーリス・ウィリアムソン元議員へのインタビューが放送されました。荒井元秘書官の発言について「首相秘書官の発言はまったくおぞましい。隣に住んでいたら出ていくとか50年前にアメリカで黒人に対して言っていたことです」と、同性婚をめぐる岸田首相の「社会が変わる」発言については「日本の総理はどんなダメージを受けるのか説明してくれませんか。世界のどこにもダメージを受ける国はありませんよと言いたい」と述べていました(さすがです。拍手!)
毎日新聞政治プレミア「元首相秘書官の差別発言 政府が脅かす性的少数者の命と尊厳」で松岡宗嗣さんは、「命の問題だということを強く言いたい。政府自身が性的少数者を自死のハイリスク層である(厚生労働省「自殺対策総合大綱」)としているにもかかわらず、政府の中枢から弁解の余地もない差別発言が出る」「政府が当事者を守るのではなく、死に追いやっている。政府が性的少数者の権利を侵害して、命と尊厳を脅かしている」と切実に訴えました。「厚労省の調査などをみても、世の中に性的少数者がいることは知っているが、自分の周りには「いないと思う」「わからない」と答える人が多い。それは性的少数者にとって「言えない」状況があるからだ。それが今の日本の現実だ。政府の中枢にいる人間が平然と差別発言をするような国で言えるわけがない」「元首相秘書官は「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」とも言っている。性的少数者の人権を守るのではなく、差別を続けたい人たちを守りたいという意思表示だ。自分の国には性的少数者は要らないと言っているようなものだ」「多数派が少数者の尊厳を奪っている、人権を侵害している。みんなが持っている同じ権利なのに、一部の人が持っていない。それをいつまで放置しているのか。見えていないだけで実際には周囲にいる、大切な誰かの命や尊厳が脅かされている。これを今すぐやめてほしい」
2月13日、LGBT理解増進法案について自民党の茂木幹事長は「なるべく早く提出することが望ましい」と述べました。議員立法となる見通しのため、具体的な時期は「国会日程や与野党での調整状況などを見極め、適切に判断したい」とのこと。公明党や野党各党が早期成立を求めているが、自民党内には慎重な声もあり、条文の文言を含め、議論になるものと見られています。
参考記事:
同性婚導入、賛成64% 内閣支持横ばい、共同調査(共同通信)
https://nordot.app/997782401243529216
“LGBT法案”のゆくえ 稲田朋美議員語る“保守”の実像【2月13日(月)報道1930】(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/326799
元首相秘書官の差別発言 政府が脅かす性的少数者の命と尊厳(毎日新聞)
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20230210/pol/00m/010/005000c
自民幹事長「なるべく早く」 “LGBT法案”提出(nippon.com)
https://www.nippon.com/ja/news/fnn20230213485565/