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映画『エゴイスト』の松永監督と宮沢氷魚さんが差別発言に対してコメントしました
2月10日から公開される映画『エゴイスト』の試写&会見が6日、日本外国特派員協会で行われ、会見に臨んだ松永大司監督と宮沢氷魚さんが同性婚めぐる差別発言についてコメントしました。監督は「そういう言葉が大きな差別を生む」と、宮沢さんは「たくさんの人が声を上げたことは、日本の未来にとっての希望」と語りました。
松永監督は「僕のデビュー作がドキュメンタリー映画(『ピュ〜ぴる』)なんですけど、トランスジェンダーの友達を10年間撮っていました。それが公開されたのは2011年で、いろいろな国の映画祭に招待してもらいました。10年以上前ですが、LGBTQ+を取り囲む環境というのが圧倒的に日本と違うものと違っていたことにすごく驚かされました」と振り返り、「現在2023年になって、日本において以前より理解や言葉というものが多くの人に浸透していると思います。それでも、先日うちの国の首相の『同性婚を認めると社会が変わる』という言葉や、元秘書官の方も同性愛者に対することが同性愛者に対して『目に入れたくない』とか『隣に住みたくない』とか差別的な発言をしている現状がある。そういう誤解だったり言葉が大きな差別を生むと思っています」と語りました。そして、「この『エゴイスト』はLGBTQ+に対しての定義や理解を深く求めることが、大きな目的ではありません。それでもこの映画を観た方が考えてもらうきっかけになってもらったらいいなと思うのが、この作品の一つの大きな理由です」「なので、マスコミ用のプレスにも、僕らのチームで監修入れてもらいながら現時点での用語解説を入れて配っていて、メディアの人になるべく正確に言葉を伝えてもらうことも大きな意味だと思っています」と語りました。
宮沢さんは海外記者からの質問に対して流暢な英語で応じ、同作の出演に対しては「2度ほど打診いただきました。出演の動機となったのが個人的な友人との体験でした。15年来の付き合いでゲイなんです。彼と知り合ってからというもの、ずっと心地よく過ごせる自分の居場所を探しているんじゃないかと感じていました。この映画を作ることを通して少しでも何かできたんじゃないかという気持ちでおります」と語りました(宮沢さんは『his』の時にもゲイの友人のことを語っていらっしゃいました)。また、荒井元秘書官による差別的な発言についての意見を求められると、「あまり政治的発言は表に述べてはこなかったんですけど、この一件で感じたことは、今回たくさんの人が声を上げて失言に対しての意見や行動をする姿が見れた。日本の今までの歴史を考えても、とても大きなステップアップだと思っています」「日本は前進はしているけど他国に比べて遅れをとっているところがたくさんあると思います。そんな中、世論というか、皆様がたくさん声を上げたということで、日本の未来に希望が見えると思います。とても悲しい出来事ではあるんですけど…それによって、前向きな皆様の意思の強さ、意見を、どんどん発信しようとする姿が見えたと思う。僕は、そこに、もう少し、耳目が集まっても良いんじゃないかなと思います」と語りました。
本当にその通りで、(荒井元秘書官の発言があまりにひどいということもあるでしょうが)TVや新聞などのメディアを中心にこんなにも世論がLGBTQに味方し、多くの著名人も支援の言葉を述べ、SNSでも多くのアライの方々が声を上げてくださり、1日で3万筆の署名が集まるという状況は、10年前には考えられなかったことです。社会は確実に変わっています。それは、職場で奮闘してきたアライのみなさんのおかげでもあります。
参考記事:
宮沢氷魚、同性婚巡る差別発言に対しての意見も…流暢な英語で世界に発信(マイナビニュース)
https://news.mynavi.jp/article/20230206-2585031/
宮沢氷魚が岸田首相と元秘書官の性的少数者や同性婚巡る発言に思い「世論が声を上げたのは希望」(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202302060001358.html