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【同性パートナーシップ証明制度】静岡県が2月から受付、島根県は今年中に導入へ

 静岡県は3月1日から「パートナーシップ宣誓制度」を導入します。2月1日から宣誓手続きの事前受付けが始まるとの発表がありました。

 県庁、県東部総合庁舎(沼津市)、県浜松総合庁舎(浜松市中区)など5ヵ所の中から希望する場所で手続きを行ないます。宣誓希望日の14日前までに申込みが必要です。
 宣誓したカップルは宣誓受領書(パートナーシップ証明書)が交付されます。二人が子育てをしている場合、子どもも家族として認められ、名前を記載することができます。
 法的効力はありませんが、公営住宅への入居や医療機関で入院や手術の同意ができることなどが想定されています(決まり次第、県の公式サイトに掲載されます) 
 静岡県内では浜松市、富士市、静岡市、湖西市がすでに制度を導入していて、これら4市の居住者も県の制度を利用できるように調整しているそうです。
 県男女共同参画課の山口精子課長は、「さまざまなカップルが社会で遭遇する生きづらさや困り事を解消し、性の多様性に対する理解を広げていきたい」と語りました。
 
 なお、制度導入を前に、1月27日13時から県男女共同参画センター「あざれあ」で記念シンポジウムが開かれます。追手門学院大の三成美保教授(こちらの提言の委員長を務めた方で、数々のLGBTQ関連シンポジウムに登壇しています)が「性の多様性とジェンダー平等を尊重する持続可能な社会づくり」をテーマに講演し、砂川秀樹さんらをパネリストに迎えたパネルディスカッションも行なわれます。参加無料。事前申し込み制。録画によるオンライン配信もあります。

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 島根県では先月、丸山知事が制度導入を進める考えを表明していましたが、早ければ今年中にも「パートナーシップ制度」を導入する、そのための準備を進めていると報じられました。島根県は中国五県のなかで唯一、市町村でも制度が導入されていなかった県ですが、一気に県として導入されることになりそうです。
 
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 大分県では、性的マイノリティへの理解促進策を検討する有識者らの調査研究会(会長・山崎清男大分大名誉教授)が1月12日、「パートナーシップ宣誓制度」を県全体で導入することが望ましいとする提言をまとめ、県に報告しました。
 研究会は、大分県における性的マイノリティの具体的な施策につなげることを目的に、大学生やLGBTQの人たちを支援する団体の代表などで構成されています。12日、山崎長が、当事者が孤立しない相談体制の充実や県としての「パートナーシップ宣誓制度」導入を盛り込んだ提言を、大分県に提出しました。山崎会長は、「心・人権の問題はなかなか外に出せない。県、行政がリーダーシップをとって、最初の第一歩をやっていただきたい」と語りました。大分県は、「具体的な取組みについて検討していきたい」としています。

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 滋賀県近江八幡市が「パートナーシップ宣誓制度」を導入します。今夏の導入を目指しており、現在、パブリックコメント(意見公募)を実施中です。滋賀県では彦根市に次いで2例目となります。

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 愛媛県で初めて、大洲市が今年4月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入する予定です。市は制度案や要綱案を示し、市民や市内に通勤・通学する人を対象にパブリックコメント(意見公募)を実施しています。
 市に宣誓書を提出すれば、宣誓受領書(パートナーシップ証明書)が交付され、二人の関係性が公に証明されます。認定されたカップルが利用できる行政サービス流については今後、調整を進めるとしていますが、市営住宅に入居できることなどが検討されているそうです。
 大洲市は「市民のみなさんに多様性について関心を持ってもらい、意見を寄せてほしい」としています。

 愛媛県は、香川県(直島町以外のすべての市町)や徳島県(8市町)とは対照的に、これまで制度が導入された自治体が1つもありませんでした。
 一昨年、松山市で「カラフル松山」が発足し、署名キャンペーンを立ち上げ、昨年1月に要望書と署名を市に提出するなどの活動を行なってきましたが、市は「直ちに制度を立ち上げる状況ではない」と後ろ向きです。なぜ市は導入に慎重なのか…については毎日新聞「「パートナーシップ制度」未導入の愛媛 問われる自治体の本気度」という記事に詳しいです(制度導入に慎重な当事者団体のことが紹介されています)
 松山市では、トランスジェンダーの渡邉啓之さんが昨年、市議に当選しています。市が、制度導入に前向きな姿勢に変わっていくことを期待します。
 
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 北海道函館市では、昨年12月23日に年内最後の市長定例会見が行なわれ、工藤市長が1年を振り返り、「LGBTの皆さんが待望したパートナーシップ宣誓制度の導入も,私としては大きな出来事であったと感じております」と語りました。
 また、隣接する北斗市が来年春から「パートナーシップ宣誓制度」を導入することをどう受け止めるか、との質問に対し、市長は、「北斗市が函館市と全く同じかどうかわかりませんが,パートナーシップ宣誓制度を導入されることになったということは,函館市としても生活圏が一緒ですので,北斗市から働きにきている人もいるし,こちらから北斗市に働きに行ってる人もいるので,なるべく広がった方がLGBTのカップルにとっても利便性が増すのと,函館市としても同じ気持ちを持つ自治体が増えることは歓迎すべきだと思っていますが,いずれにしても他市のことなので,あまり踏み込んだ話は避けたいと思います」と答えました。
 また、函館市は(札幌市,江別市、苫小牧市,北見市で行なわれているような)連携を行なう考えはあるのか、との質問に対し、市長は、「事務的には検討していくこととしています。函館市も含めてこれから道内の宣言をする自治体がお互いに連携をして,例えばこちらから札幌に移っても函館の宣誓制度をそのまま使えるというような形にするということです。それも大事ですが,それ以上にやはり近隣の生活圏を同じにする方々が連携する方が,必要性としては大きいです。そういう意味では近隣市町が導入する場合には,優先的に連携していきたいと思います。別に札幌市などと今話し合っているなかで,函館市も入るということであれば,積極的に連携していきたいと思っております」と答えました。
 
 北海道といえば、北見市が「パートナーシップ宣誓制度」について苫小牧市との連携協定を締結しました。札幌市に続いて2例目です。協定締結により、両市間では転出前に継続使用申請書を届け出れば、転入先で受領証を使い続けることができるようになります。
 市の市民生活課は「性的マイノリティの方々の負担軽減につなげたい。他の自治体との連携も協議していきたい」としています。

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 東京都では、昨年11月に「パートナーシップ宣誓制度」が導入されたのと同時に、同性パートナーを持つ都職員の休暇や福利厚生について男女の事実婚と同様に扱うように制度が改正されました。
 東京新聞は、「平等」を求め、声を上げた当事者の方に取材し、「「うちは同性パートナーと暮らしています」…都に制度改善の声を上げ続けた当事者が胸を熱くした光景」という記事を掲載しました。
 東京都立学校の元教諭の男性は、20代で出会った同性パートナーと暮らしてきましたが、「自分たちは祝福されない。関係ない」と、ひがみにも似た気持ちを抱えていたといいます。都立学校に勤務していた2019年8月、40代の都職員とともに都人事委員会に待遇を平等にするよう改善措置を求めました(詳細はこちら)。前年に「性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取り扱いをしてはならない」と謳う東京都人権尊重条例が制定されたことを機に、「同じ都の職員なのに待遇に差があるのは不平等では」と思い、声を上げようと決めたそうです。一緒に改善を求めた都職員も、戸籍の性別が同じパートナーと暮らしながら「職員住宅にも入れない。ずっと不遇感はあった」と語っています。1年後の2020年7月、訴えは却下され、性的指向を理由とした差別を禁じる都人権尊重条例に反するのではないか、との声が上がりました。都立学校元教諭の方は、その後も、労働組合や都議に説明に回ったそうです。(2020年12月には、都職員が抗議の記者会見を開きました)
 そして2021年6月、「都パートナーシップ宣誓制度」を盛り込んだ改正人権尊重条例が成立し、都は職員に関する条例や規則なども改正、11月に晴れて、同性パートナーを持つ職員も休暇や福利厚生制度を利用できるようになりました。
 都人事部は、制度改正はあくまで「パートナーシップ宣誓制度の創設を踏まえたもの」と説明しています。改善を求めてきた都職員の方も「どれだけ自分たちの訴えが影響したか、していないか、わからない」と感じています。「でも、実現への地ならしになったのでは」「少数者が声を上げたところで、何も変わらないと思っていた。だけど、小さい声をすくい上げ、生かす仕組みがあれば、より充実した民主主義社会になる」と語っています。
 元教諭の方は以前、できるだけ隣近所とつきあわないようにして暮らしていたといいます。一歩を踏み出したことで「初めて地域で生きていると実感できた」と語ります。パートナーの方が近所の人に「うちは同性パートナーと暮らしています」と話している姿もうれしかったそうです。「一歩ずつ、存在を可視化し、変えていきたい。マイノリティがいることが当然と思える職場や社会は、みんなにとっていいと思う」 
 記者会見での涙ながらの語りを聞いていただけに、都職員の待遇の平等化が実現したこと、本当に祝福する気持ちになりましたし、こうして東京新聞が記事にしてくれたことも本当に素晴らしいと感じます。
 
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 もう一つ、制度にまつわる「いい話」がありました。
 沖縄県浦添市が実施している「パートナーシップ宣誓制度」は、二人のうち一人だけが市内に居住しているか転入予定であれば利用できるため、同居していないカップルも宣誓証明書を受け取ることができます。2022年11月に宣誓証明を受けた藤本尚さん・立石麻由子さんのカップルは、藤本さんが浦添市に居住していて、立石さんは仕事の関係で沖縄と東京を行ったり来たりしています。いわゆる遠距離恋愛ながら、制度を利用でき、「相手がどこにいてもパートナーシップを受けられるので、すごく未来が見えた」と語ります。那覇市の制度では二人ともが市民であるか転入予定でなければならないのですが、浦添市の制度ではどちらか一人だけでよかったため「沖縄と東京という遠距離生活を続けていた我々にとっては、すごく未来予想図が作りやすかったんです」と藤本さんは語っています。

 異性婚の夫婦の場合、同居していなくても婚姻届を出すことができ、これは国の制度なので当然、どの自治体に住んでいても、婚姻は有効です。しかし、同性パートナーシップ証明制度の場合、自治体ごとに設けられている制度なので、市や区の外に転出する場合は証明書を返却し、転入先の自治体で改めて申請をし直す必要があります(その不便を解消するために、自治体間の連携協定が結ばれています)。そもそも制度がない自治体に引っ越した場合は、パートナーシップ証明を受けられなくなってしまいます。遠距離恋愛であれば(あるいはパートナーが隣の市などに住んでいる場合は)、今回の浦添市のように、どちらか一人が住んでいればOKとしている自治体であればパートナーシップ証明が受けられますが、そうでなければ制度を利用することができないという問題もあるのです。 
 法的効力がないうえに、様々なハードル・不便さが…。そういう意味でも、早く結婚が認められるようになってほしいですね。
 
 
 
参考記事:
県 同性カップルなど 公的認定制度 ことし3月から開始へ(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20230112/3030018906.html
静岡県パートナーシップ宣誓制度 2月1日から事前受け付け開始(静岡新聞)
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1177362.html

<ニュース追跡>島根県 パートナー制度導入へ 欠かせぬ県民の理解 醸成当事者歓迎も あくまで出発点(山陰中央新報)
https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/325614

【大分】性的少数者への理解促進目指し調査報告(大分朝日放送)
https://www.oab.co.jp/sp/news/?id=2023-01-12&news_id=202301121131
性的少数者カップル認定「大分県全体で導入を」 有識者研究会が県に提言(大分合同新聞)
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2023/01/13/JD0062010365

滋賀・近江八幡市「パートナーシップ宣誓制度」導入へ 性的少数者のカップル公認(京都新聞)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/956165

大洲市 パートナーシップ制度で意見募集(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20230108/8000014934.html

パートナー制、北見が2市目連携 苫小牧と転出入手続き簡略化(北海道新聞)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/785761

「うちは同性パートナーと暮らしています」…都に制度改善の声を上げ続けた当事者が胸を熱くした光景(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/223698

遠距離“同性カップル”がパートナーシップを結べた最大の理由(HUB沖縄)
https://hubokinawa.jp/archives/21200

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