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グラミー賞授賞式のステージで多数のクィア・アーティストがパフォーマンスすることが明らかに
1月25日(現地時間)、第65回グラミー賞授賞式でパフォーマンスを行なうアーティストの第1弾リストが発表され、サム・スミス、キム・ペトラス、ブランディ・カーライル、スティーヴ・レイシーというクィア・アーティストが出演することが明らかになりました。
サム・スミス&キム・ペトラスの「Unholy」は昨年、大ヒットを記録し、10月にはビルボードNo.1になっています。グラミー賞でもポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門にノミネートされ、受賞に期待がかかります(ノンバイナリーのサムとトランスジェンダーのキムの二人が受賞すれば、歴史的な快挙です)
レズビアンであることをオープンにしているブランディ・カーライルは2019年のグラミー賞で6部門にノミネートされ、「最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス」「最優秀アメリカン・ルーツ・ソング」「最優秀アメリカーナ・アルバム」の3部門で受賞して以降(いずれのジャンルでもOUTアーティストとして初の受賞です)(なお、アメリカーナというジャンルについては、こちらをご覧ください)、4度の受賞を果たしているグラミーの常連です。今年は「You and Me on the Rock」でレコード・オブ・ザ・イヤーに、『In These Silent Days』でアルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたのをはじめ、全7部門にノミネートされています。
スティーヴ・レイシーはバイセクシュアルであることをカミングアウトしているアーティストで、「Bad Habit」が全米シングル・チャート3週連続1位を記録し、今回のグラミーでレコード・オブ・ザ・イヤーやポップ・ソロ・パフォーマンス部門にノミネートされています。
ほかにも、LGBTQ人権活動家として知られるリゾや、MTVビデオ&ミュージックアワードで(かつてマドンナとブリトニーがキスして見せたように)男性のダンサーとキスして話題になったバッド・バニーも出演します。
ノミネーションを見ると、過去に同性と交際していたことがあり、セクシュアル・フルイドであるとも発言しているドージャ・キャットがレコード・オブ・ザ・イヤーをはじめ5部門にノミネートされているほか、バイセクシュアルのレディ・ガガがビジュアルメディア楽曲賞など2部門に、メンバーのうち2人がゲイであるペンタトニックスがトラディショナル・ポップ・ボーカル・アルバム部門に、ゲイのケイトラナダがダンス/エレクトロニック・レコーディング部門に、ゲイのパフューム・ジーニアスがオルタナティブ・ミュージック・パフォーマンス部門に、カントリー界のスターで、2021年にゲイであることをカムアウトしたT.J.オズボーンのデュオ、ブラザーズ・オズボーンがカントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス部門に、ゲイのオマー・アポロとバイセクシュアルのアニッタが新人賞に、若い黒人のゲイを主人公としたミュージカル『A Strange Loop』がミュージカル・アルバム部門にノミネートされています。そして、ゲイクラブやクィアコミュニティへの愛が詰まった名作『ルネッサンス』で人々を熱狂させたビヨンセが最多9部門ノミネートとなっています。
『Out』誌は、「2022年はたくさんのLGBTQアーティストがチャートを賑わせ、グラミーにもたくさんノミネートされたが、ステージでパフォーマンスできるのはその中のほんの一部だろうなと予想していた。何人かのクィア・パフォーマーの出演が決まって感謝!」とコメントしています。
新世代のクィア・マガジン『them』は、「今年のグラミーは文句なし。ゲイゲイしく楽しめそう」「アワードが直接、一般のLGBTQの市民の今の状況を変えることにはならないかもしれないが、クィアやトランスのクリエイターが自身の経験や文化を反映した作品を作ってこのように評価されるのは、素敵なことだ」とコメントしています。
第65回グラミー賞授賞式は2月5日(現地時間)、LAのクリプト・ドットコム・アリーナで開催されます。日本では2月6日(月)にWOWOWで放送・配信されます。
参考記事:
All the Singers Performing at the 2023 Grammy Awards(Out)
https://www.out.com/music/2023/1/25/all-singers-performing-2023-grammy-awards-so-far#media-gallery-media-2
The 2023 Grammys Will Feature a Ton of Queer Talent on Stage(Them)
https://www.them.us/story/2023-grammys-lgbtq-performers