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台湾人と同性婚未承認国の外国人との同性婚が、ついに認められました!

 台湾内政部(内政省)が1月20日、同性婚に関する従来の解釈を変更し、台湾人の婚姻相手の国・地域が同性婚を認めていない場合も婚姻届を受理するとし、全土の県・市に通知しました(ただし、中国は登録手続きの問題で対象外としました)。これにより、訴訟をすることなく日本人も台湾で同性の台湾人と結婚できるようになりました。
 

 台湾では2019年5月にアジアで初めて同性婚を認める法律を施行しましたが、カップルの一方が外国籍でその国が同性婚を認めていない場合は、役所の窓口で婚姻届を受理しない対応をとってきました。これを不服とする外国籍と台湾籍の同性カップルが何組も裁判を起こし、結婚を認めるよう命じる判決を勝ち取ってきました。こうした状況を受けて、台湾内務省が「同性婚は、すでに台湾の公共秩序の一部分となっている。案件ごとの不一致を避ける必要がある」として今後は原則、すべての外国籍と台湾籍の同性カップルの婚姻届を受理するよう、20日までに関係機関に通知しました。ただし、香港とマカオを除く中国本土の住民の場合は、引き続き適用対象にならないとしています。

 このニュースは、19日深夜に『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』の著者で現在台湾大学の客員教授を務めている鈴木賢氏など台湾在住の複数の方や、日本在住の台湾の方たちなどが現地の報道を翻訳して次々にSNSに投稿し、知られるところとなりました。20日の昼ごろまでには共同通信やNHKも報じています。

 2021年5月、台湾とマカオの同性カップルが同性婚訴訟で勝訴し、台湾の裁判所で初めて国際同性婚に関して婚姻届の受理を命じる判決を下しました。お二人以外にも何組もの国際同性カップルが訴えを起こしましたが、日本人の有吉英三郎さんと盧盈任さんの裁判は日本でも大きく取り上げられました。お二人は昨年7月、勝訴し、晴れて結婚が認められました。このように裁判を闘ってきた方たちや、活動家や支援団体のみなさんの尽力のおかげで、ようやく同性婚未承認国の人との国際同性結婚も認められることになりました。 

 台湾での婚姻平等の推進やプライドの開催などに多大な貢献をしてきた団体「台灣伴侶權益推動聯盟」は、(facebookの翻訳なので、意味が通らないところもあり、抜粋させていただきましたが)以下のようにコメントしています。
「約4年間の苦闘を経て、国を跨いだパートナーが再会! 台北高等裁判所での越境同性婚の判決5件と、新北市での上訴判決4件を積み重ねた後、内務省が公式にすべての郡と自治体に変更の手紙を送りました。『同性婚はすでに台湾の公共秩序の一部であると信じている。個人の事例の差を避けるため、将来、海峡両側の同性カップルを除き、残る国際カップルは、外国籍適用法第8条を適用する』」
「この闘いに尽力してくれた全ての人々に深く感謝するとともに、すべての支援者に、海峡両側のカップルが結婚できるよう引き続き協力をお願いいたします」
「平等の権利を保持し、これまでの裁判において国境を越えた同性カップルの婚姻に勝利を与えてきた台北高等行政裁判所と新台北市上訴協会に感謝申し上げます」
「国際同性カップルの皆様にお祝い申し上げます」


 いま台湾に暮らしていて同性パートナーがいる日本人のみなさんや、台湾の方とおつきあいしている日本のみなさんに、国際同性結婚できるようになったことを心からお慶び申し上げます。
 
 
 なお、鈴木賢教授によると、台湾の2022年の婚姻統計が公表され、昨年1年間に結婚した同性カップルは2477組(女性1792組、男性685組)に上りました。婚姻平等元年2019年に次ぐ結婚数の多さだったそうです。これまでの同性婚の累計は9659組で、もう少しで1万組の大台に乗ります。鈴木氏は「結婚における性の平等はすっかり社会に定着し、受け入れられているようです。伝統的家族は崩壊していません。さて、日本はいつ差別を止めるのでしょうか? 今年? 来年? 5年後?」とコメントしています。
 

参考記事:
台湾が外国人との同性婚受理 相手の国が未承認でも(共同通信)
https://nordot.app/988931462952763392
台湾 同性カップルの結婚 相手が中国本土の住民を除き認める(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230120/k10013955191000.html

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