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中日新聞が金沢のLGBTQツーリズムの取組みを紹介、弊社小泉のコメントも

 中日新聞に「LGBTQの旅 金沢は魅力的 工芸体験、食巡るツアー」という金沢でのLGBTQツーリズムの実践についての記事が掲載され、弊社会長の小泉のコメントも載りましたので、ご紹介いたします。


 こちらでもご紹介した通り、9月16日(金)〜19日(月祝)に金沢プライドウイークが開催されます(北陸中日新聞も後援しているそう)。その最終日の19日に「金沢を楽しむLGBTQ+フレドリーツーリズム」と題して、伝統工芸体験や食巡りバスツアーが初めて企画されました。
 金沢市内の酒蔵や日本料理店などをドラァグクイーンとともにバスで巡る「美味しい金沢プライド巡り」を企画したのは、金沢市の旅行会社「UIGI(ゆういぎ)」です。コロナ禍以前から、シンガポールなどから訪れた同性カップルの要望を受けて「ひがし茶屋街」などで着物体験を実現させた実績があるそうです。2020年には北陸で初めてIGLTA(国際LGBTQ+旅行協会)に加盟しました。直海千夏社長は「LGBTQの皆さんは文化や食、楽しいことに関心が高く、金沢はぴったり合っている」と話しています。
 昨年3月、金沢で初めてのLGBTツーリズムセミナーが開催され、その際に金沢レインボープライド事務局が「LGBTQおもてなしツーリズムガイドブック」を配布したこと(後藤が書かせていただきました)、宿泊者名簿の性別欄記入を強制しない、レストランのカップルシートは同性でも利用できるようにすべき、ダブルルームに一律男女用の浴衣を用意することをやめる、といった(異性愛規範や性別二元論に基づく思いこみをやめる)ことがおもてなしのポイントであると紹介されています。
(ちなみにこの昨年3月のLGBTツーリズムセミナーで後藤がお話させていただいた際、2010年に鹿児島に初上陸したゲイクルーズの乗船客の方たちがいかに仙巌園や知覧武家屋敷などを熱心に見ていたか、教養があり、歴史にも興味を示し、良いお客だったかといったデータをご紹介しながら、金沢の街と親和性の高いゲイのお客様のイメージをお伝えしました。直海さんたちにも好い印象を与えたと思います)
 上海で長年観光業に携わった直海社長は「LGBTQ旅行客は、旅行で嫌な思いをしたくないため、安心して滞在できる場所を選ぶ。受け入れ態勢が整った宿泊先や店を増やして理解を浸透させ、結果的に金沢の街が恩恵を受けられるようにしたい」と語りました。
 
 中日新聞の記事では、「LGBTQツーリズムにはコロナ禍からのインバウンド復活を目指す観光業界から熱い視線が注がれる。大阪観光局は2018年にIGLTAに加盟し、受け入れに前向きな飲食店などを紹介する英語サイトを開設。2024年のIGLTA総会も誘致し、存在感を高める狙いがうかがえる。外資系ホテルも関連宿泊プランを用意するなど積極的だ」とされています(なお、2024年のIGLTA総会の開催地の発表は今年11月で、大阪観光局は「誘致を目指し」ているところです)
 その後、IGLTAのアジア・アンバサダーでもある弊社会長の小泉の話が紹介されています。
「世界の旅行客のLGBTQの割合は10%とされ※1、市場規模は2018年の民間調査で2180億ドル※2で伸び続ける。消費額も平均的な旅行者より多い傾向がある。世界の観光都市が集客を競っている。日本は観光地としての一般的な人気はあるものの、バンコクなどと比べてLGBTQツーリズムの情報が発信されていない。
 旅行者のニーズは、安全で過ごせるフレンドリーな街であることが基本。さらにパレードなどの関連イベント、新宿二丁目などのナイトライフが充実していると魅力的に映る。リゾート地も人気だ。
 LGBTQの立場によって対応が必要な場合とそうでない場合がある。当事者が体験談を話すなどの研修を受け、各観光事業者が心構えとポリシーを決めた上で対応してほしい。LGBTQツーリズムに取り組むことは、障害者も含めて困難を抱えている人がどうしたら楽しく旅行できるか考えるきっかけになる」

※1 正確に言うと、国境を越える国際旅行の旅行客の10分の1はゲイ・レズビアン(実数で約7,000万人)であるという調査結果があります(Travel University,2000)
※2  米国のLGBTQのリサーチ会社「Community Marketing & Insights」の最新の報告書による


 10月に入国制限が緩和され、個人旅行の受入れや、短期滞在向けのビザ取得の原則免除も検討されているなか、ようやくインバウンドのV字回復が見えてきました。金沢のような観光地にとって、高級な伝統工芸品も気前よく買ってくれたりする海外のゲイの旅行客をいかに誘致するかということが一つのテーマになるでしょうから、UIGIさんを中心に、弊社も協力させていただき、今後、官民コミュニティが一体となって取組みを進めていけたら理想的ですね。今年の金沢プライドウィークでの取組みが、そのきっかけになるのではないでしょうか。
 


参考記事:
LGBTQの旅 金沢は魅力的 工芸体験、食巡るツアー(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/543900

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