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「お花畑正義感の人たち」発言の城内議員に対し、地元選挙区のLGBTQ団体が公開質問状を提出しました

「お花畑正義感の人たち」発言の城内議員に対し、地元選挙区のLGBTQ団体が公開質問状を提出しました

 自民「性的マイノリティに関する特命委員会」城内事務局長、「お花畑正義感の人たち」発言で炎上のニュースでお伝えしたように、8月25日に開かれた自民党の「性的マイノリティに関する特命委員会」の会合で、同委員会の事務局長を務める静岡7区選出の城内実衆議院議員(自民党)が、「美しいポリコレみたいなものでストーリーをつくって、それを疑問視する人をひたすらたたくお花畑正義感の人たち」は「多様な価値観、多様な市民を、ステレオタイプでやっているんじゃないか」、「純粋まっすぐお花畑の人は『差別されている人を助けなきゃ』みたいな話(となっている)」などと発言をしたことが問題視されました。
 これに対し、静岡7区(浜松市の一部と湖西市)に住んでいる「浜松TG(トランスジェンダー)研究会」の鈴木げん代表が9月21日、記者会見を開き、城内氏の事務所に真意を問う質問状を提出したことを明らかにしました。

 
 記者会見によると、城内議員の発言を受けて、地元選挙区である浜松で生活する当事者の間で不安が広がりました。そして、「浜松TG研究会」、「にじいろ安場in浜松」(浜松市を中心に性的マイノリティが暮らしやすい社会の実現を目指す団体)、「浜松パートナーシップ連絡会」(浜松市「パートナーシップ宣誓制度」について当事者の声を集約して市と協議する会)の3団体の代表が集まって話し合い、公開質問状というかたちで城内議員の真意を確認したいということになりました。そうして9月21日の午前中に、代表して浜松TG研究会の鈴木げんさんが城内氏の事務所に質問状を提出しました。
 公開質問状の内容は以下の通りです。
【質問1】
 8月25日、城内氏が事務局長をつとめる自民党性的指向・性自認に関する特命委員会の会合で「美しいポリコレみたいなものでストーリーをつくって、それを疑問視する人をひたすらたたくお花畑正義感の人たち」との発言が共同通信を通じて報道されました。また、そうした人たちは「多様な価値観、多様な市民を、ステレオタイプでやっているんじゃないか」という発言をされたと朝日新聞で報道されています。
【1-1】こうした発言をされたことは事実でしょうか。
【1-2】発言の内容に「問題はない」とお考えでしょうか。理由も併せてお答えください。
【1-3】もし「問題がある」とお考えの場合、どのように問題があると認識されているでしょうか。
【1-4】発言について謝罪や撤回をするおつもりはあるでしょうか。
【質問2】
 城内氏が事務局長をつとめている神道政治連盟国会議員懇談会、6月13日の総会で配布された冊子に「同性愛は精神障害で依存症」「同性愛からの回復治療の効果が期待できる」「LGBTの自殺率が高いのは、差別が原因ではなく本人が悩みを抱えているせい」「性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題だから」といった性的マイノリティに関する差別的な言説が掲載されていたことが報じられています。
【2-1】こうした言説に「問題はない」とお考えでしょうか。理由も併せてお答えください。
【2-2】「問題がある」とお考えの場合、どのように問題があると認識されているのでしょうか。
【2-3】冊子の内容を否定し、謝罪や回収等の対応をするおつもりはあるのでしょうか。
【質問3】
 城内氏の地元である浜松市、そして静岡7区にもたくさんの性的マイノリティ当事者が生活をしています。今回質問させて頂いただいている団体のひとつ「浜松TG研究会」の代表住所は浜松市天竜区春野町にあり、選挙区が静岡7区になります。ここにも当然、たくさんの仲間が生活をしています。
【3-1】城内氏の地元で共に生活をする、トランスジェンダーや同性愛、両性愛者等の性的マイノリティの仲間たちに心を込めたメッセージをください。
 
 城内氏は性的マイノリティに関する特命委員会だけでなく、「同性婚は精神障害で依存症」などの差別言説を広めた神道政治連盟国会議員懇談会の事務局長でもあり、党内でLGBTQについての誤った認識や差別的な見解が広まる要因をつくっている経緯があります。そのような意味で【質問2】が設けられました(なお、この差別的な冊子の内容を明確に否定するよう求める抗議集会や署名運動も展開されています→こちら
 鈴木げんさんは、特命委員会のアドバイザーが、国会内の勉強会の中で、“女性の安全が脅かされる”などと話し、トランス女性に対する現実にそぐわない差別的な見方を助長していると報道されていることも踏まえ、神政連での差別冊子配布の問題にも鑑み、両会の事務局長である城内議員の「お花畑」発言が、今回だけの失言というよりも、LGBTQについての偏見や誤った認識に基づいているのではないかと見られるため、LGBTQについてどう思っているのかきちんと確認したいという意図があると説明しました。「現実として、戸籍上同性だと婚姻が認められない、戸籍の性別変更に厳しい要件が課されているなど、当事者は嵐の中でもがきながら生活しています。差別や不平等を解消し、人々の人権を守っていくのが政治家の役目だと思いますが、そうした政治家からLGBTQを差別する発言がどんどん出てくるのは、当事者として悲しいし、許されないことだと感じます。苦しむ当事者の姿が見えていないのではないでしょうか」
 
 実際に城内議員の事務所を訪れ、公開質問状を提出した際、期日である9月30日までに何かしらの返事をすると回答していただけたこと、また、その場で城内議員と電話でお話できたということも明かされました。城内議員は「実際にいろんな方に会って話を聞きたい」と話したそうです。質問状の提出自体へのコメントは特になく、発言の撤回などもなかったそうです。
 鈴木げんさんは、「いろんな当事者の話も聞いてほしいですし、聞くだけではなく、きちんと政策に反映していただきたいです。私たちは喧嘩をしたいのではなく、法整備を進め、平等な社会、人権が守られる社会を実現してほしいと願っているのです」と語りました。
 

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