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ウクライナのハルキウで9/25にパレードが開催されます
つい数日前にロシアからの奪還が伝えられたハルキウ州の州都でウクライナ第二の都市であるハルキウで、9月17日〜25日にハルキウプライドが開催、25日にパレードが行なわれることが発表されました。
ハルキウでは2019年9月15日、初めてのプライドパレードが開催され、約2000名の方々が参加しました。2020年はコロナ禍でオンライン開催となり、昨年は9月12日に開催されました。今年はロシア軍の侵攻で情勢が一変し、開催が危ぶまれていましたが、9月7日、公式FacebookとTwitter、Instagramで9月17日〜25日にハルキウ郊外でプライドを開催することが発表されました。
「ウクライナのLGBTQコミュニティへの攻撃の犠牲者を追悼する日、ユーロプライドをサポートするイベント、婚姻平等についてのパフォーマンス、そしてパレードも開催します。プライドのチームは、この国の現状をよく知っています。それでも私たちは自由、平等、多様性の尊重の重要性を強調したいと思います。ウクライナはロシア政府の全体主義的な政策とは異なっていることをデモンストレートします。今年、プライドは祝祭にはならないでしょうーー実は、以前のプライドもそうでした。ウクライナは世界の悪意と戦争しています。LGBTQコミュニティはこのレジスタンスにおいてアクティブな役割を果たします。もしLGBTQがこの国のために亡くなったら、ストレートと同じ権利が与えられなければなりません」
ウクライナ最大のLGBTQイベントであるキーウプライドは、今年はポーランドのワルシャワで6月25日にワルシャワプライドと合同で開かれました。戦時下で国外に逃れた方も多いなか、激戦地であったハルキウのLGBTQコミュニティがプライドパレードの開催を決めたことは、一言では言い表せないくらい…勇気ある、内外のLGBTQを勇気づけるような英断ではないでしょうか。世界中から駆けつけるということは難しいかもしれませんが、ハルキウプライドが無事に開催され、成功することをお祈りします。
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なお、ハルキウプライドの声明にもあった欧州最大のLGBTQの祭典「ユーロプライド」ですが、今年はセルビアの首都・ベオグラードで(東南ヨーロッパで初めて)開催されることになっていました。がしかし、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領が8月27日、「ユーロプライドの開催を許可しない」と発表し、内外から猛烈な批判を浴びています。
ブチッチ大統領は記者会見で、コソボとの最近の緊張や食料・燃料価格の高騰などに対処する必要があると述べ、「パレードは延期または中止される」と述べました。「(コソボとの)この無駄な緊張がパレードを禁止に追いやった」
ユーロプライドの主催者、マルコ・ミハイロビッチ氏はこの言い訳を認めず、「ユーロプライドを中止することはできず、禁止は違憲である」と批判しました。「この国、すなわち警察は行進を禁止しようとすればできる。しかし、キャンセルすることはできない。このような決定は、憲法に違反する。憲法裁判所は、これまでに何度も、同様の決定を撤廃している。クローズドな場所で行われるイベントは禁止されえない」「ユーロプライドのホストを務めることは、西バルカンにおけるLGBTQ+コミュニティの平等の達成に向けた重要な一歩になる」
ユーロプライドの主催団体「European Pride Organisers」も、「セルビア初の女性首相でありオープンリー・レズビアンであるアナ・ブルナビッチ首相がパレードを全面支援すると約束したため、その約束が守られると確信している」「キャンセルはできない」と述べています。アナ・ブルナビッチ首相はベオグラードでのユーロプライド開催を推進するため、「より平等な社会の実現することを再確認し、差別禁止を決定した政府であることを強調したい。政府は人権を完全に尊重し、ベオグラードプライドが安全に、盛大に開催されることを約束する」との書簡を提出していました。
ベオグラードでは28日、ユーロプライドに反対するデモが行なわれ、右派の教会関係者を含む数千人が参加したそうです。報道によると、デモを主催したのはプーチン大統領を“神”と崇めるバイカーグループ「ナイトウルフ」のセルビア支部のメンバーです。ブチッチ大統領はロシア寄りの政策を推進しており、西側の対ロシア制裁には参加していません。野党・民主党の議員らは、ブチッチ大統領がプーチンのように人権団体を抑圧し、「独裁者ごっこ」をしようとしていると非難しています。
しかし、問題はブチッチ大統領だけではありませんでした…。アナ・ブルナビッチ首相もユーロプライド中止の決定を支持したのです。ブルナビッチ氏は27日、ユーロプライドの中止を支持し、「どう転んでも、どの角度から見ても、まず優先すべきはセルビアの平和と安定を確保することです」とツイートしました。ブルナビッチ氏はオープンリー・レズビアンではあるものの、LGBTQ団体から「同性愛者の地位向上のために何もしていない」と頻繁に非難されてきたそうです。
世界のLGBTQ権利回復運動を支援しているALL OUTは、予定通り9月17日にベオグラードでパレードが開催されるよう求める署名を立ち上げました。すでに2万5千筆余が集まっています。
<参考記事>
セルビア大統領 ユーロプライド2022に中止命じる(KWPニュース)
https://kagonma-info.com/c0019/serbia_europride_ban_august_2022/
セルビア野党とLGBTQ団体 ユーロプライド中止勧告に猛反発(KWPニュース)
https://kagonma-info.com/c0019/serbia_opposition_europride_support_august_2022/