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LGBTQフレンドリーな神社を知るための「#私のお賽銭のゆくえ プロジェクト」が立ち上がりました
先日の神道政治連盟の差別的な冊子のニュースを受けて、すべての神社が同性愛を否定するのではなく、同性婚も別姓婚もウェルカムだよ!と歓迎してくれる神社もあるはずだ、という趣旨で、安心して初詣に行ったりお賽銭を投げたりできる神社を知るための「#私のお賽銭のゆくえ プロジェクト」が立ち上がりました。
「日本に暮らすほとんどの人が神社でお賽銭を投げてお願いごとをした経験があると思います。その私たちが投げたお金が、同性婚や選択的夫婦別姓を否定する運動に使われている場合があることを、ご存じでしょうか。
全国各地の多くの神社が加盟している神社本庁による政治組織、神道政治連盟は262人もの国会議員が加盟している巨大な政治勢力です。この神道政治連盟は夫婦別姓や同性婚に反対の立場をとり「選択的夫婦別姓ってほんとうに必要なの?―答えは「ノー」です!」という冊子や「日本で同性婚を合法化すればさまざまな社会的影響を必ず及ぼします」「同性愛は環境によって影響され生じたものであり、世界には回復セラピーや信仰的体験、あるいは自然に同性愛から離脱できた元同性愛者が多く存在しています」などと書かれた発行物を作っています。このような発行物は2021年6月に自民党議員の勉強会で配られたことでも批判の声が上がりました」
(公式サイトより)
以下は、神道政治連盟の機関誌「意」への寄稿のなかで同性婚・別姓婚に対してどのように述べられてきたかということの例です。
「弱くリーダーシップがない父あるいは家庭に愛がない父をもつ息子の、男らしさに無関心で落胆させる母、あるいは夫から愛されず無視され、息子を過剰保護し、愛の対象とする母の影響が子どもが同性愛者になる原因であると考えられています」(No.215 P.5/弘前学院大学教授・楊尚眞氏寄稿)
LGBTQ活動家には、同性婚の権利化は単なる方便に過ぎず、結婚、家族、宗教といった伝統的枠組みを解体し、極左コミューンを作るのが最終目的といった人々も多い。(No.215 P.14/福井県立大学教授・島田洋一氏寄稿)
神社本庁では平成八年に「祖先祭祀の継承」「家庭の役割」「わが国の伝統文化」を重視する観点から夫婦別姓に反対するという基本見解を発表されました。神社界では以前から夫婦別姓は必然的に、親子別姓になることであり、家族の一体感を損なうだけでなく、子供の姓を巡る争いの原因ともなって、家族の崩壊を招きかねないと考えてきたと承知しております。(No.213 P.6/山谷えり子参議院議員寄稿)
「何より私たちを傷つけるのは、このような私たちの基本的人権を否定する政治活動の資金源が、人々が幸せを願って投じた賽銭や御祈祷料、寄付、御朱印・お守りやお札などの授与品の初穂料などである点です。
NHKによる2021年の世論調査によれば、夫婦別姓に賛成する人、同性婚に賛成する人はともに57%と半数を超えています。過半数が賛成意見でも、法律が変わらないのは政治家の背後にいる政治団体の存在です」
「信仰や教義によって同性婚や選択的夫婦別姓を否定することをやめろとまではいいません。
でも、私たちも自分がお賽銭を投げる場所は選びたいのです。結婚式や七五三、厄払いなど、大切な家族の行事に、自分たちを差別する神社にうっかり祈祷料を払いたくないのです。
だってすべての神社が否定的なのではなく、同性婚も別姓婚もウェルカムだよ!と歓迎してくれる神社もあるのですから」
このプロジェクトでは、「初詣に行く神社を選びたいので、多様な家族への立場を表明してください」という署名によって、明治神宮をはじめ初詣ランキング上位32社の神社のみなさまを宛先にして回答を呼びかけ、フレンドリー神社がわかったら、その結果をマップにして可視化していくという活動を展開していくそうです。
すでに富知六所浅間神社(三日市浅間神社)が「当神社は神道政治連盟の活動や方針への賛同、協力等は一切致しておりません」「どなたでも安心して御参拝ください」と表明していますが、おそらく同様に神道政治連盟には関与せず、LGBTQを差別しないという神社もたくさんあるはずなので(90年代に同性結婚式を挙げてくださった川崎の金山神社(かなまら祭りを主催)などもフレンドリーですよね)、そういう神社が「見える化」されるのはいいことですね。安心して初詣に行けるようになってほしいです。