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“家族ができない同性愛者”を排除するための闘い…自民比例・井上義行候補の発言が波紋を呼んでいます
参院選の比例区に自民党から立候補している井上義行氏が6月22日、出陣式で「外国からの勢力によって」「同性愛とかいろんなことでどんどん可哀想だと言って」「家族ができないで、家庭ができないで、子どもたちは本当に日本に本当に引き継いでいけるんですか」「その闘いでもあります」と演説したことが波紋を呼んでいます。
井上氏は内閣参事官補佐や内閣総理大臣首席秘書官を歴任し、第一次安倍晋三内閣では内閣総理大臣首席秘書官を務めた人物。2019年の参院選では比例区で出馬し、落選しています。
井上義行氏ご自身のYouTubeチャンネルに、6月22日の出陣式での演説の動画が掲載されています。7分50秒〜の部分でこう述べています。
「今私は分岐点だというふうに思っています。なぜ分岐点か。それは今まで2000年培った家族の形が、だんだんと他の外国からの勢力によって変えられようとしているんです。昔は皆さん、考えてみてください。おじいちゃんおばあちゃんやお孫さんと住んだ三世代を。その時は社会保障そんなに膨れてこなかった。でも核家族だ、核家族だ、個々主義だ、こういうことを言っている。そしてどんどんどんどん、僕はあえて言いますよ、同性愛とかいろんなことでどんどん可哀想だと言って、じゃあ家族ができないで、家庭ができないで、子どもたちは本当に日本に本当に引き継いでいけるんですか。しっかりと家族を産み出し、そして子どもたちが多く日本にしっかりと産み育てる環境を私たちが今作っていかなければいけないと思いませんかみなさん。その闘いでもあります」
多くの方が指摘しているように、先日の神道政治連盟の冊子の内容や、これまでの自民党議員の“生産性がない”発言や“足立区が滅ぶ”発言などとも呼応するひどく差別的な発言です。しかも“家族ができない同性愛者”を「可哀想だ」と容認してはいけない、これは「子どもたちが多く日本にしっかりと産み育てる環境を」作るための「闘い」だとする(同性愛者の排除を堂々と宣言する)攻撃的な主張でもあります。
LGBT法連合会事務局長の神谷悠一氏は、「あまりに短絡的で、差別的だ」と批判しています。
「家族を作るか、子どもを作るかで優劣をつけるのは優生思想的だ」
「同性カップルを念頭に『子どもを作らない、つまり生産性がない』などと主張し、批判を浴びた杉田水脈氏の過去の寄稿にも通じる」
「同性愛者や、様々な理由で子どものいない世帯を少子化のスケープゴートにしているとも受け取られかねない発言。今回は加えて、核家族すら槍玉にあげているように見える」
「すでに子育てをしている同性カップルや、子どもをもたない選択をした家庭の実態をはじめ、現実に生活する多くの人々の姿が見えていないのではないか」
SNS上でもたくさんの批判の声が上がっています。
自民党の井上義行候補がLGBT差別を含む街頭演説をしています。内容としては杉田水脈の「生産性」発言に匹敵するレベルだと思う。本当に酷い。
— HOM55 (@HON5437) July 2, 2022
井上氏「同性愛とか色んなことでどんどん可哀想だと言って、じゃあ家族ができないで家庭ができないで子供たちは本当に日本に引き継いでいけるんですか?」 pic.twitter.com/z5TaVEuroi
聴衆の「そうだ」という声や拍手にもえぐられる。この手の人たちは、既に同性カップルで子育てしている人もいるといった"事実"はどうでもよくて、抽象的な家族という"形"にのみ固執、マイノリティを仮想敵とし人権を侵害することで「社会を守る」と認識。「そういう戦い」という言葉にも現れている。 https://t.co/6SWHH9u3gN
— 松岡宗嗣 (@ssimtok) July 2, 2022
マジで気持ち悪い。人間を国家の道具としか見ていない。最も国会議員にしてはならないタイプ。 https://t.co/UkN3zT8Srs
— 布施祐仁・新刊『日米同盟・最後のリスク』『自衛隊海外派遣』 (@yujinfuse) July 2, 2022
先日のプライドトークに出演された、アメリカで同性婚をしている日本人男性。子育てしたい想いに向き合う中で、自分たちの遺伝子にこだわる必要があるだろうかと気づき、男女ペアが育てられなくなった子供たちの里親になっていました。子どもたちを育てるのは排除する心ではなく包み込む力なのでは。 https://t.co/xsBInZVSPP
— ブルボンヌ (@bourbonne_campy) July 3, 2022
「神道政治連盟国会議員懇談会」で配布された資料が自民党内で一定の影響力を持っていることがわかる演説。家族(家庭)は子どもを産み、育てるための装置ではありません。同性カップルのみならず、夫婦2人で生きると決めた夫婦や子どもを授かりたいけれどなかなか叶わない夫婦にも刃を向ける発言。 https://t.co/txUblwhTLY
— 村田しゅんいち全国比例代表候補 (@Shunichi_Murata) July 3, 2022
いやいやいやいや。このとんでもない少子高齢化は同性愛関係ないですよね。「子供が産まれなくなったらこの国はどうなる」って、それはこちらが政府に言いたいですわ。子供産めない社会にしてきたのはそっちですよね。同性愛者のせいじゃなく政治のせいですよね。
— しお(汐街コナ)@新刊「しごヤバ」発売中 (@sodium) July 2, 2022
こんな特大ブーメラン久々に見たわ。 https://t.co/LFJvlUkoWH
言っていることがめちゃくちゃ。家族の形態は時代に応じて変化している。2000年前は家庭なんかなかったよ。核家族を作ったのは自民党の政策が影響。LGBTの権利は「可哀そうだから」なんかじゃない。まして外国に言われている話でもない。 https://t.co/djxdnoZZdl
— 中沢けい (@kei_nakazawa) July 2, 2022
今から恐ろしいことを言います。比例区で「自民党」と書くと、こういう人が国会議員になります。
— 青野慶久/aono@cybozu (@aono) July 2, 2022
もっと恐ろしいことを言います。この人、2013〜2019年に参議院議員でした。#ヤシノミ作戦 #参院選2022 https://t.co/tLAaC9DyuG https://t.co/xoYSBxJEff
僕は同性愛者が「可哀想」だから権利を認めてあげようと思ったことは一度もありません。彼ら彼女らは僕と同じ人間だから同じ権利があって当たり前でしょという簡単な話です。なんでそんなにLGBTQを特別視するのかなー。不思議で仕方がない。 pic.twitter.com/xuekWWha4J
— Doug@宮古島 (@doughimself) July 3, 2022
この人たちは人類社会の進展に伴う時代の自然な変化を「外国勢力による侵略」と見立て、日本を被害者の立場に位置づけ、その侵略から防衛しなければならないと主張する。まさに世界の「うねり」が見えない人たちだ。そこから生まれるのは単なる排外主義であり、日本の孤立であり、凋落でしかない。 https://t.co/jGbYXWMd5m
— 中嶋 哲史 (@J_J_Kant) July 2, 2022
この発言が全くニュースにならないのはなんでだろう。
— 尾張おっぺけぺー (@toubennbenn) July 3, 2022
(この場にいなかったとしても動画で確認もできているはずなのに)
神道政治連盟の冊子問題なんかとも繋がった話なのに。
100万再生をこえるほどの広がり、ほとんど全てが批判意見だろうに無視するのかな。https://t.co/18wGWTbc32
先日の神道政治連盟の冊子のこととあわせて、大手メディアはきちんとこの差別発言のことを取り上げ、問題化していただきたいですね。
参考記事:
「同性愛とか色んなことで可哀想だと言って…」自民比例・井上義行候補の発言に波紋(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_62c186b8e4b065b10ad5ddc9
自民党のLGBT差別は冊子配布だけでない! 安倍元首相の子飼い候補が街頭演説で「同性愛者」攻撃、なんと安倍がその動画を拡散(リテラ)
https://lite-ra.com/2022/07/post-6207.html