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東京都が「パートナーシップ宣誓制度」の運用を11月1日から開始する方針を発表

 東京都は「パートナーシップ宣誓制度」の運用を今年11月1日から開始する方針を決めました(10月中下旬から届出受付を開始する予定だそう)。併せて、2月に公表した素案に対して寄せられたパブリックコメントと、それらに対する都の考え方も公表されました。


 再掲になりますが、都の「パートナーシップ宣誓制度」は、双方またはいずれか一方が性的マイノリティであるカップルに対し、都が届け出に基づいて証明書を発行する制度です。先行する人権尊重条例の理念を踏まえ、多様な性に対する都民の理解を推進し、家族として行政や民間のサービスが利用できるようになるなど、暮らしやすい環境づくりを進め、支援につなげることがねらいです。
 素案によると、制度の対象となるのは、2人とも18歳以上で、かつ少なくとも1人が都内に住んでいるか、都内に通勤、通学をしているカップルで、3ヵ月以内に都内に転入を予定しているケースも含まれます。国籍は問いません。トランスジェンダーの方であれば通称名を、お子さんがいらっしゃる方はお子さんの名前も特記事項欄に登録できます(ファミリーシップ制度でもあるということです)
 登録は、新たに作られる登録システムを用いて原則オンラインで行ない、それぞれが、戸籍抄本や住民票の写しなどを添えて届出書を提出、内容に不備がないことが確認されれば、原則10日以内に受理証明書が発行されます。無料です。
 証明書を得た方が都民向けサービス事業を利用できるよう検討する、とされていますが、内容についてはまだ発表されておらず、確定し次第、順次お知らせする、とのことです(日経新聞では、都が都営住宅の入居や都立病院の入院患者への面会などの際に活用することを検討しているとされています)。また、民間事業者に対しても証明書を持つ人を夫婦向けのサービスや福利厚生制度の対象とするよう働きかけるとしています(まずは都職員に対して福利厚生の平等化を図り、範を示していただきたいですね)
 また、都内では渋谷区・世田谷区をはじめ、すでに16の区と市で同性パートナーシップ証明制度が導入されていますが、すでにこれらの自治体で証明書を取得しているカップルも、都への届け出は可能だそうです。また、これらの区市の制度との相互利用に関し、調整を図るとしています(区市発行の証明書を活用し都民向けサービス事業で利用できるよう検討、逆もまた然り)
 
 この「パートナーシップ宣誓制度」は、都の人権尊重条例を一部改正することで実施する(実施根拠とする)予定で、都は、都民の意見も踏まえた最終的な案をまとめ、6月の都議会で条例改正が採択されれば、今年11月1日から運用を始める方針です。

 PartnershipActforTokyo 東京都にパートナーシップ制度を求める会によると、約5800通ものパブリックコメントが寄せられたそうですが(関心の高さや熱さを感じさせますね)、寄せられた意見を読んでいくと、パートナーを家族として認めてほしいという切実な思いが感じられたり、差別を恐れて隠れるようにして暮らしてきたけどようやく社会に認められるような気がする、といったリアルな声に、胸が熱くるものがありました(逆に、アンチな意見も散見されます…もしネガティブなものに触れたくないという方は、ご覧にならないほうがよいかもしれません)
 
 ともあれ、ようやく東京都で同性パートナーを家族として承認する制度が始まる見通しとなりました都が同性パートナーを認めるということは、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の裁定や、国政にも良い影響を与えるのではないでしょうか。婚姻の平等の実現に向けた、大きな一歩になることを期待します。
 

参考記事:
性的マイノリティーカップル支援で都が証明書 11月に開始方針(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220510/k10013619931000.html
東京、パートナー制度11月開始(共同通信)
https://nordot.app/896669957765414912?c=39546741839462401
東京都、パートナー制度案を策定 11月運用開始へ(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC104QC0Q2A510C2000000/

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