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台湾の同性婚法施行前と後で同性婚支持率が23.5ポイントも上昇したことが明らかになりました
アジアで初めて、2019年5月24日に台湾で同性婚特別法が施行されてから3周年を迎えました。同法施行から先月末までに7906組の同性カップルが婚姻届を提出しています。
台湾の行政院(内閣)性別平等処は同性婚実現3周年を前にジェンダーに関する世論調査を実施し、22日にその調査結果を公表しました。「同性カップルには合法的に結婚する権利がある」と答えた人が60.9%に上り、特別法施行前の2018年調査時の37.4%から23.5ポイントも上昇したことが明らかになりました。
性別平等処は、今月4日から6日にかけて20歳以上の男女を対象に電話で世論調査を実施し、1076件の有効回答を得ました。こちらにその結果が上がっていますが、「同性婚は家族制度や倫理を崩壊させるか」という質問に対し、「不同意(そうは思わない)」「非常不同意(全くそう思わない)と回答した人が合計57.0%で過去最高となり、「同性カップルには合法的に結婚する権利があるか」という質問に「同意」「非常同意」と回答した人が合計60.9%に上り、特別法施行前の2018年調査時に比べて23.5ポイントも上昇し、また、同性婚が認められて以降も次第に支持率が上昇していることが明らかになりました。また、「同性パートナーに養子縁組を認めるべきか」との質問には71.0%が回答し、「同性パートナーも子どもを適切に養育できる」と71.8%が答えました。
調査結果から同処は、「国民のジェンダー平等に対する意識が向上し続けているのがわかる。なかでも同性愛者に対する理解度の上昇が最も顕著だった」とコメントしました。
鈴木賢さんの著書『台湾同性婚法の誕生: アジアLGBTQ+燈台への歴程』の291ページに「法制度には人びとの意識を変える力がある。国民の理解がないことを法を変えない理由にすべきではない。むしろ先に法を変えることにより、国民意識は急速に変わっていくものである」と書かれていますが、台湾で起こっている人々の意識の変化は、この記述の正しさを裏付けるものです。
日本では「人々の理解が進んでいないこと」や「社会通念」などを理由に同性カップルの権利の保障に消極的な(同性パートナーシップ証明制度や同性婚に反対する)人たちが少なからずいらっしゃいますが、人々の理解がないことを法を変えない理由にすべきではないと、不平等を解消する(奪われた権利を回復する)法整備を進めることでこそ人々の理解も進むということを、自信を持って言えるようになりました。台湾のみなさんが立証してくれたおかげです。謝謝台湾!
参考記事:
同性婚支持、法施行前より23.5ポイント上昇=行政院世論調査/台湾(中央社フォーカス台湾)
https://japan.focustaiwan.tw/politics/202205220003