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大阪のLGBTQセンターで相談事業を行なう団体「QWRC」への支援をお願いします
先日、大阪・天満橋にオープンした常設のLGBTQセンター「プライドセンター大阪」をご紹介しました。LGBTQが安心して過ごせるような、困り事を相談したり何でも話せるような居場所です。虹色ダイバーシティの活躍と様々な企業様のサポートのおかげもあって、素敵な空間(ハコ)は完成したのですが、これからセンターの運営を継続し、きちんとした相談事業を進めていくためには、人件費(中身)も必要になります。
今回、実際の運営や相談事業に携わっていく予定の特定非営利活動法人 Queer and Women's Resource Center=QWRC (くぉーく)が、大阪府の「NPO等活動支援による社会課題解決事業」に選定され、クラウドファンディングによって集まった支援金と同額を村上財団がマッチング寄付する仕組みになっており、この寄付金の総額を6月からのセンターの本格的なオープン(相談事業のスタート)の運営資金に充てる見込みだったのですが、現状、クラウドファンディングの目標金額に程遠い金額しか集まっていません…。
2003年から大阪を中心にLGBTQの交流会事業や相談事業、研修などの活動をしてきたQWRC(くぉーく)は、LGBTQの当事者と対人援助職の方による団体で、エンパワーメントを重視した支援活動を行なってきました。大阪市淀川区が日本初のLGBT支援宣言を発した翌年、区のLGBT支援事業の一環として電話相談やコミュニティスペースの開設を行なった際も、QWRCの方々が携わってきました。2020年には、長年のLGBTQ支援の活動を評価され、大阪弁護士会人権賞を受賞しています。QWRCのおかげで自分のセクシャリティを肯定できるようになった、生きてこれたという方も多いのです(QWRCでは毎週、メンタル面で悩みがある方のための集まりを催しています)(私の記憶では、同性カップル向けに「緊急連絡先カード」のサンプルを作って提供しはじめたのもQWRCが最初でした)
そんなQWRCが今回、支援を募っている事業は3つあります。
1つは「ハイブリッド居場所」。プライドセンターとオンラインでつなぎ、現地でもオンラインでも参加できる相互交流の場づくりです。遠方であったり病気があったりなどの事情があってセンターに来られない方も、リアルに人と接したい方も参加できます。
2つめは、個別の相談です。個別性の高い相談に寄り添ってお話を聞いたり、リソースを提案し、生活の困り感の軽減につなげます。聞こえにくい方、聞こえない方など個々の状況に応じてチャットでの相談も想定しています。
3つめは、LINE相談です。2021年から月1回実施してきましたが、これを月3回に増やします。実家にお住まいでご家族にカミングアウトしていない当事者の方などは、電話相談を避ける傾向にあり、若い方は特にLINE相談のニーズが高いのです。
LGBTQの多くは10代の頃、周囲と違うことに悩み、誰か信頼できる大人(できれば自分と同じような当事者の人)に相談できたらどんなにいいだろう…と思いながら、誰にも相談できず、孤立無援の状態に陥ります。メンタルヘルスを悪くし、自殺未遂を図ったことがある方もいますし、本当に自死で亡くなる方も少なくありません(私はこれまでに10人以上の友人や知人を自死でなくしてきました)。身近に、相談に乗ってくれる場所があるというのは、当事者にとって本当に大切なことです。
幸い、今は、このように、当事者で相談に乗ってくれる方たちが活動し、コロナ禍で孤立を深めたり家族との摩擦に悩んだりしがちなLGBTQをも救っています。以下の「LGBTQがあたりまえに暮らせる居場所&相談場を作りたい」のページにも、QWRCに助けられたという声が紹介されていますが、自死を考える方が本当に多いなか、大げさじゃなく、QWRCのおかげで救われた命があるのです。
世の中には、人知れず、誰かが崖から落ちてしまわないように助けてあげている人たちがいます。QWRCのみなさんは、まさにそのような人たちだと思います。地味かもしれませんが、「縁の下の力持ち」的にLGBTQを支援し、救ってきたヒーローのような人たちです。
ぜひ、以下のバナーからREADYFORのページをご覧いただき、ご支援をお願いいたします。
(文:後藤純一)