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チリで同性婚がスタート、世界で30ヵ国目

 3月10日、南米のチリで同性婚法が施行され、お子さんを抱いた同性カップルが結婚式を挙げました(おめでとうございます!)
 
 ハビエル・シルバさんとハイメ・ナザルさんは首都サンチアゴのプロビデンシア地区の市民登録所で2人の子どもを抱いて、誓いの言葉を述べ、キスを交わしました。お二人には生後20ヵ月のクレメンテちゃんと4ヵ月のロロ・マリアちゃんというお子さんがいます。お二人は6年間、結婚を夢見てきました。愛を祝福するだけでなく、親としての法的な地位を求めて。カトリックの国の保守的な法制度がそれを阻んできました。
 
 この日、結婚式を挙げたもう1組のカップルは、コンスエロ・モラレス・アロスさんとパブラ・ヒューザー・アマヤさんです。お二人は16年間パートナーシップを築いていて、シルバさん&ナザルさんと同じ理由で結婚しました。2歳の娘ホセファちゃんも一緒でした。
 チリでは2015年からシビルユニオンを結ぶことができるようになりましたが、シビルユニオンの恩恵は結婚には遠く及びませんでした。特に親権については厳しいものがありました。
 アロスさんとアマヤさんは生殖補助医療によって娘を授かりましたが、産んだほうのアマヤさんにしか法的な親権が与えられず、アロスさんは、我が子が入院しても医者に何も言えず、もし二人が別れてしまえば娘に対して何もすることができないという状況に置かれていました…。今や二人は結婚し、正式に親権が認められ、結婚の平等を求める長年の闘いに終止符が打たれました。
 
 この歴史的な結婚式には、エルナン・ラライン平等相と、カルラ・ルビラール社会開発・家族相という政権の2人の閣僚も参列していました。結婚する二人は、夫、妻という言葉が配偶者に替えられたチリで初めてのインクルーシブなマリッジ・ブックを手渡されました。
 
 チリのLGBTQ団体「Fundación Iguales」は、「このニュースは子どもたちを法的に承認してもらいたいと望む300のLGBTQファミリーを安心させました」とコメントしました。
 チリ最大のLGBTQ団体「Movilh」は、「今日、チリに夫と夫、妻と妻が誕生しました。もう差別はありません。チリばんざい!」とツイートしました。
 ロレナ・レカバーレン人権次官は、「今日、私たちは愛が愛であるということを強く確認しました。性的指向にかかわらず、すべての家族を承認したのです」と書きました。


 チリは2015年にシビルユニオンを導入しました。2017年にはミチェル・バチェレ政権が国会に同性婚法案を上程しましたが、カトリック教会や保守層から根強い反対に遭い、塩漬けにされていました。昨年6月、セバスティアン・ピニェラ大統領がプライド月間の始まりとともに「すべての国民に自由と尊厳を保障する時が来た」として同性婚支持を表明、そして昨年12月、同性婚法案が両院で圧倒的多数で可決され、チリは世界で30番目、ラテンアメリカで8番目の同性婚承認国となりました。
 日本もこのリストに加わる日が一日も早く訪れることを願います。
 
 

参考記事:
Chile’s first gay couple gets married as equality law finally comes into effect: ‘Long live Chile!’(Pink News)
https://www.pinknews.co.uk/2022/03/10/chile-same-sex-marriage-gay-lgbt-weddings/

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