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TikTokが性差別に対するポリシーを強化、デッドネーミングやミスジェンダリングを禁止へ
爆発的な人気を誇る動画アプリ「TikTok」がコミュニティガイドラインを大幅に変更し、デッドネーミング、ミスジェンダリング、女性差別を明確に禁止することを発表しました。
TikTokはスマホで撮った動画を手軽に投稿できるソーシャルメディアで、米英ではYouTubeの利用時間を上回るほどの人気となっており、近年、『ヘアスプレー』主演のニッキー・ブロンスキーや、『モアナ』のアウリイ・クラヴァーリョ、カリスマ的な人気を誇るポップ・スター、ジョジョ・シワなどもTikTokでカミングアウトしています(それだけ人口に膾炙しているということです)(音楽に合わせてダンスしたり、ドラァグクイーンのようにリップシンクしながらパフォーマンスしたりする方が多く、クィアピープルとの親和性が非常に高いメディアです)
米国時間2月8日、TikTokは「アプリでの安心・安全で健全なコミュニティ環境を促進すること」を目的として、コミュニティガイドラインを大幅に変更することを発表しました。
変更点の一つは、自殺や自傷行為に関するデマなどの危険な行為やオンラインチャレンジに対して、より厳格なアプローチで臨むということ。こうした問題に関するポリシーは2021年11月に初めて概要が示されていましたが、今後はコミュニティガイドラインの中でも1つのカテゴリーとして詳細に取り上げ、見つけやすくするそうです。
さらに、デッドネーミング、ミスジェンダリング、女性差別を明確に禁止することも明らかになりました。米国のLGBTQ権利擁護団体GLAADは、デッドネーミングを「トランスジェンダーの真のアイデンティティを損なうプライバシーの侵害であり、トランスジェンダーの人々を差別だけでなく暴力さえ受ける危険にさらすおそれがある行為だ」と指摘しています。
TikTokは、今後数週間かけてガイドラインを変更するそうです。
なお、Twitterは2018年、「意図的にトランスジェンダー個人の性別を間違えたり、性別移行前の名前で呼ぶこと」を暴言や脅迫、差別的言動に対するポリシーで禁止したそうです。
Wikipediaでも、人物が過去に使用していた名前で著名な活動を行なっていない限りはデッドネーミングを行なわない旨がガイドラインに記されています。
YouTubeでは、有名な右翼のYouTubeクリエイターが故意にデッドネーミングを行なっているケースが問題視され、GLAADをはじめ米国の20のLGBTQ団体が昨年、YouTubeに対してデッドネーミングの禁止を求めています。
このように、影響力のあるメディアにおいて、デッドネーミングがSOGIハラやアウティングと同様に位置付けられ、禁止される方向に進んでいます。
メディアではない企業でも(例えばAirbnbなども)、社内ポリシーやコミュニティガイドラインにデッドネーミングやミスジェンダリングの禁止を明示する動きが見られます。トランスジェンダーの従業員が安心して働ける環境づくり、また、トランスジェンダーの顧客が安心してサービスを利用できる環境づくりを目指すものです。
参考記事:
TikTok、危険行為や性差別に対するポリシーを強化(CNET Japan)
https://japan.cnet.com/article/35183290/