NEWS
【北京五輪】「チームLGBTQ」の一人、イレーン・ビュスト選手が前人未到の記録を打ち立てました
オランダのスピードスケート選手でオープンリー・バイセクシュアルのイレーン・ビュスト選手が、7日に行なわれたスピードスケート女子1500メートルで金メダルを獲得し、北京での「チームLGBTQ」初のメダルに輝いただけでなく、5大会で金メダルを獲得という前人未到の記録を打ち立てました。
OLYMPIC CHAMPION!!! pic.twitter.com/i7Z66o6B8g
— Ireen Wüst (@Ireenw) February 7, 2022
オランダのイレーン・ビュスト選手は2006年のトリノ、2010年のバンクーバー、2014年のソチ、2018年の平昌でそれぞれ金メダルを獲得しており、五輪でのメダルの通算獲得数は11に上り、冬季五輪4大会にわたって個人種目で金メダルを獲得した史上初のアスリートとなったことで、すでに冬季五輪の歴史にその名を刻んでいました。この偉業を達成したのは夏季五輪では6人しかおらず、もし彼女が北京で再び金メダルを手にすれば、5大会で金メダルを獲得した史上初の選手ということになります。
そして2月7日、スピードスケート女子1500メートルの決勝戦が行なわれ、ビュスト選手は見事1:53.28というオリンピックレコードでの優勝を果たし、金メダルを獲得、前人未到の記録を打ち立てました。
試合後、ビュスト選手は「何かマジカルなことが起こりました」「いろんな感情がこみあげてきて…。まだ実感が湧きません。信じられないです」と語りました。
ビュスト選手は北京五輪を最後に引退することを表明していましたが、まだ次の可能性がありそうです。
「歳はただの数字。あなたの感じ方次第。私は『もう35歳、歳くった』なんて思ったりしない」と、彼女はNPRに語っています。
彼女のコーチ、Gerard van Veldeは、「彼女がこれまで滑ってきた1500mの中でも最もいいレースだったと思います。もしやろうと思えば、彼女は再びやれるはず」と語りました。「これは天賦の才能。それが偉大なオリンピアンとなった理由です」
イレーン・ビュスト選手はオリンピアンとしてもレジェンドと言えますが、2009年にバイセクシュアルであることをカムアウトし、ほとんど五輪に出場するOUTアスリートがいなかった時代から(バンクーバー五輪では6名だったそうです)LGBTQコミュニティに勇気を与えてきたレジェンドです。
偉大な記録を打ち立てた今、さらに4年後に向けて競技を続けていくのも素晴らしいチャレンジですし、LGBTQコミュニティに貢献するようなスポーツ界の重鎮として活躍する道もあるでしょう。
ともあれ今回、いろんな意味で輝かしい記録を打ち立てたイレーン・ビュスト選手に拍手!です。おめでとうございます。
参考記事:
Out speedskater Ireen Wüst wins 6th Olympics gold, 1st Team LGBTQ medal(Outsports)
https://www.outsports.com/olympics/2022/2/7/22922085/ireen-wust-2022-winter-olympics-gold-medal-speedskating-lgbtq-bisexual-beijing-netherlands