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婚姻届の受理を求めて提訴した日台同性カップルを応援する合同記者会見が開かれました
2月23日、婚姻届の受理を求めて提訴した台湾人と日本人のゲイカップルを支援する日台合同記者会見が開かれました。
台湾南部・屏東県に住む有吉英三郎さんと盧盈任さんのカップルは、台湾で同性婚が実現したときに結婚式を挙げ、婚姻届も提出したものの、「日本人との同性婚は受理できない」と突き返されました。お二人は昨年末、婚姻届不受理処分を取り消して結婚を認めるよう求める訴えを起こしました。
台湾では2019年5月に同性婚を認める特別法が施行されましたが、台湾人が外国人と結婚する際は、その外国の法律が定める婚姻成立要件を満たす必要があり、日本では同性婚が法制化されていないため、日本人とは同性間の婚姻ができないという現状があります。
昨年5月、台湾とマカオのゲイカップルが婚姻届の不受理取消しを求めた裁判で勝訴し、ほかにも、台湾人女性とマレーシア人女性、台湾人女性とシンガポール人女性のカップルも同様に婚姻届不受理の処分取消しが認められています。それを受けてお二人も昨年12月、婚姻届不受理処分取消しと婚姻届の受理を求める訴えを台北高等行政法院(高等裁判所)に起こしました。
23日の記者会見は、台湾と日本をオンラインでつなぎ、台湾と日本それぞれにおいての法制度の改善を求めるため、関係者が現状と思いを伝えるものとなりました。台湾からは、提訴した台湾人・日本人の同性カップルの廬盈任さんと有吉英三郎さん、訴訟弁護団の弁護士である許秀雯(Victoria HSU)さん、日本からは「台湾同性婚法の誕生ーアジアLGBTQ+燈台への歴程」著者であり明治大学教授の鈴木賢さん、公益社団法人「Marriage For All Japan –結婚の自由をすべての人に」の共同代表理事である寺原真希子さんが登壇しました。
お二人を支援する台湾伴侶権益推進連盟は、内政部(内務省)が勝訴を勝ち取ったカップルについて個別のケースと見なしていると指摘し、「司法の力で二人を最初の台日同性夫夫(ふうふ)にできれば」と語り、台湾で同性国際結婚が全面的に認められるようになることへの期待を示しました。
鈴木賢教授は、「台湾では、先月末までで7344組の同性カップルが結婚し、毎月増えています。家族は崩壊していませんし、何も混乱は起きていません」と述べたうえで、二人の結婚がかなわないのは「日本の法律の不備、遅れ」によるものだとして、日本からも二人の訴訟を応援する声を上げたいと語りました。
寺原弁護士は、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の状況を説明したうえで、「司法に対しては正しい判断を下されることを、国会に対しては同性婚を認めるための法改正を一日でも早く行なっていただくことを、改めて強く求めたいと思います」と語りました。
参考記事:
提訴の台日同性カップルが会見 日本からも声援 結婚実現願う/台湾(中央社フォーカス台湾)
https://japan.focustaiwan.tw/society/202202230008