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世田谷区が災害義援金についても同性パートナーにも平等に配分する方針を示しました
先日、東京都世田谷区が自然災害で亡くなった区民の同性パートナーにも平等に災害弔慰金を支給する新制度の運用を開始とのニュースをお伝えしましたが、これに合わせ、災害義援金についても、同性パートナーにも平等に配分すると明記する要綱等を策定する方針を示しました。2月22日の上川あや区議の質問に区が回答したものです。同性パートナーにも災害義援金を平等に配分すると明文化されるのはおそらく日本初の快挙です。
災害義援金は、特定の法令に基づくものではなく、災害の被災者に対する生活再建支援の一環として寄付金を募り、被災した世帯に対して見舞金として支給するもので、区や都のほか日本赤十字社や共同募金会などで受け付けします。東京都は、都に寄せられた義援金と日本赤十字社や共同募金会に寄せられた義援金を、都の配分委員会で配分基準を決定し、被害状況に応じた額を各市町村に配分します。世田谷区は、都から配分された義援金と、区に寄せられた義援金を、区の配分委員会で配分基準を決定し、被災者へ配分します。
通例では遺族の筆頭は「配偶者」で、男女の事実婚もこれに含まれる一方、同性パートナーは配分基準の想定外であるとして、意図せず排除されてきました。例えば昨年、熱海市で起きた土砂災害で遺族に支払われた災害義援金は今年1月の第3次配分までで1人当たり784万円だそうで、実に大きな金額ですが、同性パートナーを喪った方は1円も受け取ることができないのです…。
上川あや区議は2019年から区議会でこの問題を取り上げ、「災害義援金は最終的には区が設置する義援金配分委員会の管理下に入り、その裁量で配分先は決まるとのこと。ならば、パートナーの性別によらず、人的被害に対する配分はぜひ平等にと考えます。同方針を災害時の備えとして明文化していただくことを求めます」と訴えてきました(詳細はこちら)
そして2月22日、区議会で上川区議は、世田谷区の災害義援金の配分について、「かねてより同性パートナーも男女の事実婚と変わらない遺族として配分するよう求めてきましたが、4月より同性パートナーに対する災害弔意基金支給要綱が始動することに伴い、災害義援金の平等も担保できる見通しが立ちました。改めて、区の対応を伺います」と質問し、区の舟波勇地域行政部長から「新年度より災害で亡くなられた方の同性パートナーに対して弔慰金の支給を開始することに合わせ、弔慰金を受給した同性パートナーを含めた義援金の配分対象となりうる者の範囲をあらかじめ定め、その中から配分委員会で配分対象者を審議する要綱等を策定する方向」との答弁を引き出しました(上川区議のTwitter投稿より)
災害義援金について、同性パートナーにも男女の法律婚や事実婚と平等に配分すると要綱等で定める(明文化される)のは、おそらく日本初の快挙です!
災害弔慰金に続き、また一つ、世田谷区が同性パートナーの平等を達成しました。上川区議の尽力に敬意を表するものです。