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【同性パートナーシップ証明制度】秋田県が新年度から、秋田市も2022年度中に導入へ

 昨年12月に同性パートナーシップ証明制度の導入を検討すると表明していた秋田県ですが、制度スタートは4月からになりそうです。2月14日の県議会で佐竹敬久県知事は、新年度から「パートナーシップ証明制度」の導入を目指すことを表明しました。

 次世代・女性活躍支援課によると、「パートナーシップ証明制度」の対象となるのは、双方またはいずれかが性的マイノリティで県内在住か在住を考えている方。県に宣誓書を提出することで証明書が交付され、県営住宅の申込みが可能になったり、病院の面会で家族と同じように扱われたりするほか、介護認定や生活保護の手続きでも利用することが想定されています。活用できる範囲を広げられるよう市町村との調整も進めているそうです。
 3月末までに制度の要綱を定め、4月から宣誓書の受付を開始する予定です。
 秋田県では、性別、性的指向、性自認、国籍、障がいなどを理由とするあらゆる差別をなくすことを謳う「多様性に満ちた社会づくり基本条例」を4月から施行することを目指しており、「パートナーシップ証明制度」も同時に導入し、多様性を認める社会づくりを推進する考えです。
 佐竹知事は、新年度から始まる県政運営の指針「新秋田元気創造プラン」について説明するなかで、「本県の寛容性は全国最低レベルとの調査結果もあり、若い世代や女性の県外流出の背景の一つには、周囲からの過度の干渉や性別による役割の固定化などによる閉鎖的な雰囲気があるものと推察している」と述べ、同制度の導入で多様性に満ちた社会づくりを進めると語りました。

 なお、これまで秋田県では(というか東北では青森県以外に)制度導入自治体はありませんでしたが、次世代・女性活躍支援課によると、秋田市も2022年度中の導入を目指しているそうです。(なお、こちらの記事でもお伝えしたように、県が先に制度を導入するからといって市区町村での制度導入が無駄になるわけでは決してありません)
 
 都道府県としての同性パートナーシップ証明制度の導入は、東北地方では青森県に次いで2例目、全国でも(福岡県と並んで)7例目となります(その後、東京都や静岡県が導入予定です)
 また、都道府県としてのLGBTQ差別禁止の条例の制定は、東京都、茨城県、大阪府、三重県(三重県はアウティングの禁止も盛り込んでいます)に次いで5例目となりそうです。
 
 このように、青森県も秋田県も、同性パートナーシップ証明制度の都道府県としての導入は、全国でも早い方です。県出身者や在住のLGBTQの方々は、まさか青森が…まさか秋田が…との感慨を禁じえないのではないでしょうか。(なお、秋田県は、東北で唯一、県内に1軒もゲイバーがない県です。それだけ地元の方々がカミングアウトしづらいということです)
 たとえ制度ができても、風土としてまだまだ同性愛者への風当たりが強く、とてもじゃないけど周囲にカミングアウトできない、県庁にも知り合いが勤めていたりして、パートナーシップ宣誓なんて夢のまた夢…と感じる当事者の方は少なくないかもしれません。しかし、県が公に同性パートナーシップを認めてくれる制度があるのとないのとでは大違いで、世間の見る目も変わり、カミングアウトしても侮辱されたり「村八分」にされたりということも(少なくとも建前上は)なくなるはずです。今後きっと、堂々と、勇気を持ってカミングアウトできる方々も増えていくことと思います。この2月14日は(愛の日ですね)、「故郷が帰れる街に」なる日が近づいたという実感が持てるような、記念すべき日になったと言えるのではないでしょうか。
 
 なお、特集:レインボーイベント2022(上半期)でもお伝えしたように、秋田市では5月28日に、青森市では6月5日にパレードが予定されています。同性パートナーシップ証明制度導入後初のパレード(というか秋田では開催自体が初のパレード)として、晴れやかに盛り上がることでしょう。
 
 

参考記事:
性的少数者のカップルを公的に認める「パートナーシップ証明制度」 秋田県が4月から導入へ(秋田朝日放送)
https://www.aab-tv.co.jp/news/detail.php?e=22021515090083
パートナーシップ制度、新年度から導入へ 知事、議会で表明(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASQ2G73F2Q2GULUC003.html
県のパートナーシップ制度、4月導入へ 実現なら東北2県目(秋田魁新報)
https://www.sakigake.jp/news/article/20220214AK0004/

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