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来年6月、浜松で初のプライドパレードが開催されます
静岡県浜松市で2023年6月11日にプライドパレードの開催が予定されていることがわかりました。静岡県内では初めてです。
「はままつレインボープライド(HRP)」は浜松市中心街の新川モールを発着点とし、レインボーフラッグを掲げて約1.5キロを1時間かけて行進する予定です。地元のLGBTQやアライの方たちが実行委員会を組織しました。県内外の約150人の参加を想定し、当事者が交流する場も設けるそうです。
浜松市での開催は、同市が2020年4月に県内で初めて「パートナーシップ宣誓制度」を導入したことなどが契機となりました。同様の制度を富士市、静岡市、湖西市も導入し、県も2023年3月の開始を目指すなど、性の多様性を尊重する行政の取組みが県内でも広がりを見せています。一方、トランス男性で、同実行委の鈴木げん代表は、自分の性自認や性的指向が周囲に理解されず、一人で悩みを抱える当事者が依然多いといい、「パレードでは特に若い世代の当事者に向け、地元にも同じ仲間や応援してくれる人がいるという希望のメッセージを発信したい」と語っています。
鈴木げんさんは浜松TG研究会の代表として活動してきた方で、市のパートナーシップ宣誓第1号カップルともなり、また、昨年、性別適合手術を受けなくても戸籍の性別を変更できるよう求める家事審判を家裁に申し立てています(詳細はこちら)。今年9月には「お花畑正義感の人たち」発言の城内議員に対し、地元選挙区のLGBTQ団体として公開質問状を提出しています。その際の記者会見でげんさんは「差別や不平等を解消し、人々の人権を守っていくのが政治家の役目だと思いますが、そうした政治家からLGBTQを差別する発言がどんどん出てくるのは、当事者として悲しいし、許されないことだと感じます。苦しむ当事者の姿が見えていないのではないでしょうか」と語っています(詳細はこちら)。浜松の地元で、孤独に悩みを抱える当事者が依然として多いにもかかわらず、さらに政治家の差別発言に傷つけられたり…そういう状況で声をあげ、なんとか当事者の生きづらさの解消につなげよう、仲間に「ひとりじゃないよ」と伝えようという思いが、今回のパレード開催にもつながっています。まさにPRIDEです。
PRIDE JAPANとしても、浜松での初のプライドパレード開催をお祝いし、応援したいと思います。
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今年は、長い冬をじっと堪えたあとで一斉に花が咲くみちのくの春のように、コロナ禍で思うように開催できなかった2年間を耐えたあと、日本全国でたくさんのプライドパレードが花開きました。3月のレインボーフェスタ和歌山2022から始まって、4月の京都レインボープライドパレードフェス2022、TRP2022「プライドフェスティバル」、5月の名古屋レインボープライド、いわてレインボーマーチ2022、Akita Pride March、6月の青森レインボーパレード2022、みやぎにじいろパレード2022、9月の金沢プライドウィーク2022、10月のふくしまレインボーマーチ、レインボーフェスタ!2022、三重レインボープライド in 津まつり大パレード2022、岡山レインボーフェスタ2022、新潟プライドパレード(新潟市)、やまがたカラフルバレード、11月のとくしまプライドパレード、東京トランスマーチ2022、ピンクドット沖縄のレポートをお届けしましたが、ほかにも、HIMEJI LIBERATION MARCH、小樽プライド2022、宮崎レインボーパレード2022、さっぽろレインボープライド2022、アメノチハレ弘前レインボープライド4th、新潟プライドパレード(長岡市)、九州レインボープライド2022、まんで!さぬきレインボーパレード、TRANS MARCH AKASHI 2022というプライドパレードも開催されました。振り返ってみると、全国で27ものプライドパレードが開催され(うち10は初開催)、史上最多となりました。
2023年もすでに、4月8日(土)に京都で、4月22日(土)23日(日)に東京で、6月3日(土)に名古屋で開催されることがアナウンスされています。また近いうちに特集で情報をお伝えしますので、ぜひみなさん、各地のパレードにご参加・ご支援ください。
参考記事:
LGBTQ 浜松でパレード 性の多様性アピール 静岡県内初、23年6月開催(静岡新聞)
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1171795.html