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【カタールW杯】米国代表チームがレインボーカラーのチームロゴを作成し、LGBTQ支援を表明

【カタールW杯】米国代表チームがレインボーカラーのチームロゴを作成し、LGBTQ支援を表明

 「W杯開催のカタールで当局がLGBTQに暴行を加えていると人権団体が報告」との記事でお伝えしたように、カタールでは当局によるLGBTQへの暴行・ハラスメントが横行していたり、スタジアム建設に当たってきた移民労働者が6500人も亡くなっていることなどが人権蹂躙だとして問題視されています。

 11月8日にドイツ民放ZDFが放映したドキュメンタリーの中で、カタール元代表でW杯アンバサダーをつとめるハリド・サルマン氏が「(同性愛は)ハラムだ。ハラム(禁忌)の意味はわかるか?」「なぜハラムなのか? 精神の傷だからだ」と発言していたことが明らかになりました。人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」でLGBTの権利の上級リサーチャーを務めるラシャ・ヨウネス氏は、「サルマン氏の発言は有害で受け入れられない」「カタール政府がこの偽情報に対応しないことで、差別の加速化や暴力、国が出資する転向療法の強制を正当化するなど、同国のLGBTの住民の生活に大きな影響が出ている」と批判しました。
 カタールのLGBTQへの迫害も止められるべきですし、W杯でカタールに行くLGBTQの安全も保障されなければいけませんが、アンバサダーがこのような差別発言を堂々と行ない、政府もこれを容認してしまっているという状況…深刻です。
 
 こうしたカタール政府の人権問題に対して、欧州では、「OneLove」キャンペーンに賛同する8ヵ国のキャプテンが、レインボーカラーのハートが描かれた腕章を巻くことを決めたり、デンマーク代表のユニフォームをデザインした『ヒュンメル』がカタールに抗議する声明を発表したり、フランスの主要な10都市をはじめ各地でパブリックビューイングがボイコットされるなどしています。 
 そして米国では、代表チームが練習施設内とメディアの作業部屋にレインボーカラーのチームロゴを設置し、LGBTQへの支援を表明しました。チームが2020年に導入した、社会的正義を目指す活動を促す「Be The Change」イニシアチブの一環です。米国代表のグレッグ・バーハルター監督は14日、記者会見で「国際舞台、そしてカタールのような場所にいるとき、このような問題への関心を高めることが大事だ」「米国だけでなく、海外でも社会問題への関心を高めたい。カタールは大きく前進しているが、まだやるべきことは残っている」と語りました。
 

 カタールW杯は11月21日からスタートします。現地でLGBTQの観客がトラブルに巻き込まれたり差別的な対応を受けたりしないことを祈ります。また、上記のような欧米各国の取組みが少しでもカタール政府や社会を変え、LGBTQの生きづらさの解消につながることを期待します。
 
 
  
参考記事:
カタール元代表が同性愛差別発言、W杯開催を前に批判相次ぐ(BBC)
https://www.bbc.com/japanese/63564725

カタールW杯に抗議 欧州「PVボイコット」相次ぐ 劣悪な労働環境「人権侵害」(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15469865.html
独サッカーファン、各地でカタールW杯ボイコット呼びかけ(AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3432527

サッカー=米国代表チーム、虹色ロゴで性的少数者の支援表明(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/soccer-worldcup-usa-idJPKBN2S504S

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