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東京都パートナーシップ宣誓制度がスタート、11/1朝までに177組が届け出
2022年11月1日、東京都パートナーシップ宣誓制度がスタートしました。制度の申請(宣誓)の受付は10月11日から始まっており、11月1日朝9時までに申請したカップルは177組に上ったそうです。都道府県での導入は青森、秋田、茨城、群馬、栃木、三重、大阪、佐賀、福岡に次いで10例目で、人口カバー率は6割を超えました。
都は宣誓を行なったカップルに交付するパートナーシップ証明書を提示することで利用できる行政サービスを公表しており、例えば、都営住宅への入居、パートナーが救急搬送された際の家族としての搬送先に関する情報提供、災害で被災した際の生活再建支援金の受取りなども認められます(証明書により利用可能となる施策・事業の一覧はこちら)
都職員の福利厚生についても、同居・同一生計の同性カップルを事実婚と同様に扶養手当や育児休業の対象としました。
東京都はさらに、民間事業者にも受理証明書の活用を呼びかけています。従業員への福利厚生のほか、クレジットカードの家族カード作成、生命保険の受取人指定時などを想定しています。
今回の制度は東京都在住の方だけでなく、都内に通勤・通学をしているカップルで3ヵ月以内に都内に転入を予定している方なども対象です。制度の利用(パートナーが同性であること)を周囲に知られたくない方たちにも配慮し、役所に行かなくてもオンラインで届出から証明書の発行までの手続きが完結するようになっています。もしオンラインでの手続きが困難だという方も、事前に予約したうえで二人そろって都庁を訪ね、宣誓・届け出をすることもできます(その場合、受理証明書は郵送で受け取れます)
また、都は、すでに都内で制度を導入している16区市との連携協定等を締結したことを発表しました。これにより、都事業において、16区市が発行するパートナーシップ証明書等の活用が可能となります(※一部、対象外となる事業等があります)。また、区市の事業において、都が交付する東京都パートナーシップ宣誓制度受理証明書の活用が可能となります(詳細はこちら)
都庁では今日、証明書の交付を受けた方たちが会見を開きました。このうちの1人で「東京都にパートナーシップ制度を求める会」の山本そよかさんは、「二人の関係が社会に認められてうれしいです。私が救急搬送された際、救急隊にパートナーを家族として扱ってもらえなかった経験がありますが、今後は証明書を見せれば関係をわかってもらえます」「当事者でもそうでなくても、愛する人と人生を安心して生きていけるというメッセージになると思います」と語りました。
それから、こちらのニュースでお伝えしていたように、18時に都庁がレインボーカラーにライトアップされる瞬間を一緒に見るために都民広場に数十名の方々が集まり、制度スタートを一緒に祝いました。
ラーム・エマニュエル駐日米国大使はTwitterに「平等への大きな一歩です。本日、東京都は同性カップルに初めてパートナーシップ証明書を発行し、歴史を刻みました。この特別な瞬間を目の当たりできたことを誇りに思います。愛する人と一緒にいる権利は人権である――そう信じるすべての人たちと私たちは共にあります。#自分らしく」と投稿し、制度スタートを祝してくださいました。
また、英国大使館が大使館を都庁と同じレインボーカラーにライトアップしたほか、カナダ大使館、ノルウェー大使館、アイスランド大使館なども祝福のコメントを寄せてくださいました。
本日から大使館所在の東京都 @tocho_jinken で「 #東京都パートナーシップ宣誓制度 」が開始されました。
— UK in Japan (@UKinJapan) November 1, 2022
LGBT+コミュニティーとの連帯を示すため、大使館も都庁と同じカラーにライトアップ。
英国にとってLGBT+の人々の権利の保護と促進は重要な人権課題です。#自分らしく#BeThemselves pic.twitter.com/iy0YrNpXoz
メディアの注目度も高く、複数のテレビ局で報じられたほか、日経新聞などは素敵な特設ページを設けて制度の意義を伝えています。
オルタナでは、「都が制度を導入したことが企業のLGBTQ施策の推進力にもなる」と論じられています。また、日経新聞によると、民間企業13社も都の制度に賛同し、自社の商品・サービスにおいてパートナーシップ証明書を婚姻と同等に扱う旨を表明しています。例えば、第一生命保険は生命保険の受取人に指定に関して、東京海上日動火災保険は火災保険・傷害保険などの補償の対象に、三井住友トラストクラブはクレジットカードの家族カードの発行に関し、パートナーシップ証明書を有効とするそうです。
一方、ダイヤモンド・オンラインやBUSINESS INSIDERでは、当事者の声を交えながら、自治体の同性パートナーシップ証明制度には法的な効力がない(同性カップルの権利保障には程遠い)ということ、なぜ婚姻の平等(同性婚)を認める必要があるのかということをきちんと伝えてくれています。
ともあれ、都が同性パートナーを認めるということは、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の裁定や、国政にも良い影響を与えるのではないかと期待されますし、婚姻の平等の実現に向けた、大きな一歩になることでしょう。そして、これまで制度がなかった市区町村にお住まいの方もようやくパートナーとの関係が公に承認されるようになったのは、本当に喜ばしいことです。177組のみなさん、おめでとうございます!
参考記事:
都の「パートナーシップ宣誓制度」始まる 当事者から喜びの声(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20221101/1000086353.html
LGBTなどのカップルを公認 東京都「パートナーシップ宣誓制度」開始 都営住宅に一緒に入居できるなど、新たにサービス受けられるように(TBS)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/192604
東京都で「パートナーシップ宣誓制度」開始 課題も…(日テレNEWS)
https://news.goo.ne.jp/article/ntv_news24/nation/ntv_news24-2022110109931825.html
東京「パートナー制度」開始 177組が届け出(共同通信)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/211402
パートナー制、東京都が開始(日経新聞)
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00002480X01C22A0000000/
パートナーシップ導入自治体、人口換算で全国6割超に 東京も開始へ(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASQBZ4WFXQBTOXIE02P.html
東京都パートナーシップ制度、在勤・在学者も対象に、企業の施策「推進」も(オルタナ)
https://www.alterna.co.jp/59414/
東京都で同性カップル公認へ、解決されない「相続リスク」の無慈悲(ダイヤモンド・オンライン)
https://diamond.jp/articles/-/311740
11月開始の東京都パートナーシップ制度は「同性婚の通過点」。なぜパートナーシップではダメなのか(BUSINESS INSIDER)
https://www.businessinsider.jp/post-261229