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【同性パートナーシップ証明制度】各地で喜びの声――東京都の受付開始、高知県香南市、和歌山県橋本市など
都庁がレインボーカラーにライトアップされた10月11日、「都パートナーシップ宣誓制度」のオンラインでの届け出の受付がスタートしました。この日は18時までに18組が申請したそうです。
「東京都にパートナーシップ制度を求める会」の代表を務める山本そよかさんとヨリコさんのカップル、足立区での制度実現に尽力し、映画祭なども開催した茂田(もだ)まみこさんと長村さと子さんのカップルが会見に臨みました。山本そよかさんは声を詰まらせながら「ずっと願っていた制度。暮らしの中で否定されているような気持ちが常にありましたが、一緒に社会の中でふうふとして認められてうれしく思います」と語り、茂田まみこさんは「東京都という広い範囲で安心して暮らせる制度ができました。呼吸がしやすくなりました」と語りました。
東京新聞の記事によると、制度を心待ちにし、これから申請する予定のカップルもいます。同性パートナーと暮らして15年になる加沢世子(せいこ)さんは「私たちは家族だと思える大きな一歩。同性カップルを知ってもらう機会にもなります」と語りました。2年前、加沢さんは病気で子宮摘出手術を受けましたが、二人の関係性や取決めを記した公正証書のコピーを病院で見せ、パートナーも術前の説明に同席でき、こうした経験から「都の証明書があれば、伝えるのが簡単になると思います」と期待を寄せました。しかし、法的には同性カップルは家族と認められず、権利保障がないという現実に、加沢さんは「将来的には婚姻の平等を実現してほしいです」と語ります。茂田さんも「パートナーシップ制度は同性婚に準じるものではありません」と問題視しつつ、「首都東京で制度ができたことはものすごく大きい。進む方向が社会通念で変わります。同性婚も必要という認識への一つのステップになります」と語りました。
なお、元AKB48の高橋みなみさんが「都パートナーシップ宣誓制度」についてが語る動画が東京都公式YouTubeチャンネルに掲載されています。
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愛知県豊山町で9月から導入された「パートナーシップ宣誓制度」の第1号となるカップルが12日、町役場を訪れ、証明書の交付を受けました。
奥田聡彦さんと北村仁さんは12日に町役場を訪れ、鈴木邦尚町長から証明書の交付を受けました。奥田さんは「今後一緒に暮らしていくうえで関係性を進めるきっかけになればと思い、申請しました。たくさんの人が制度を使うことで、生きやすい社会になることを期待しています」と語りました。
豊山町によると、制度に法的な効力はないものの公営住宅に入居する際に証明書を提示することで婚姻関係にある夫婦と同じ条件で入居することが可能になります。
東海三県では豊山町を含む17の自治体が同様の制度を導入しています。
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10月1日、和歌山県で初めて橋本市が「パートナーシップ宣誓制度」を導入し、5日に1組目となる男性カップルが宣誓を行ないました。交際して4年半になる20代の直樹さんと翔太さん(いずれも仮名)は、大阪市で2019年に宣誓を行なっていましたが、翌年、仕事の都合などで橋本市に転居してきました。お二人は「制度ができてうれしい」と喜び、「県内や全国にも制度が広がり、ゆくゆくはどんな人とも当たり前に結婚できる世の中になってほしい」と語りました。
橋本市は4日、大阪市で宣誓した女性カップルで「私たちだって”いいふうふ”になりたい展」を開催してきた井上ひとみさん&瓜本淳子さん(NPO法人 カラフルブランケッツ)を招いて研修を実施しています。井上さんは「(宣誓によって)後ろめたいことをしているのではないとお墨付きをもらえた気がした。存在を認めてもらえたという気持ちの部分が一番大きかった」と振り返り、誰にも相談できずに悩んでいる当事者は多いとして「皆さんにはアライになってほしい」と呼びかけました。
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高知県の香南市は11日、性の多様性を尊重するまちづくりを目指す「にじいろのまち宣言」を発し、「パートナーシップ宣誓制度」にも取り組み、来年3月からの施行を目指すと発表しました。
宣言では、性的マイノリティの生きづらさや不安を軽減し、性的指向や性自認を理由とする差別や偏見をなくすことで、多様性が尊重された社会の実現を目指す、市が市民や企業とともに性に関する差別や偏見をなくし、誰もが自分らしく安心して暮らせるまちづくりを進めると謳われています。
「パートナーシップ宣誓制度」については、市営住宅の入居や、障害で通院する際に使う軽自動車税の減免などの行政サービスが受けられるように検討するほか、今後、職員の研修や市民向けの啓発映画の上映、講演会も予定しているそうです。
香南市の浜田豪太市長は「学校で自分の性に悩む子どもたちもいる。差別のない市であることが性的少数者らの勇気づけにもなる」「誰もが多様性を認め合えるまちをつくっていきたい」と述べました。
高知県では高知市、土佐清水市、黒潮町が同様の制度を導入しています。
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栃木県の大田原市は今月から「パートナーシップ宣誓制度」を導入しました。
制度利用を希望するカップルが継続的に生活を共にすることを宣誓し、必要な書類を提出すると、市が二人の関係を公的に認めたことを示す「証明書」と「宣誓書受領カード」が交付されます。これによりカップルは、公営住宅への入居や、どちらかが入院したときにパートナーが面会することも認められます。
大田原市の相馬憲一市長は「制度の導入で多様な性への理解促進を図り、誰もが自分らしく生きることができる社会になることを期待している。今後、市が提供可能な行政サービスの拡充を検討していきたい」と話しています。
栃木県では鹿沼市や栃木市など5つの市と町で制度が導入されているほか、今年9月からは県としても導入されています。
県としての導入について、日光市の第1号カップルとなった奥山瑞明さんとデビッド・ハメルさんが朝日新聞の取材に応えていました。
お二人は宣誓後にメディアに出たことで「自分たちのことをルームメイトだと思っていた近所の人たちが、『おめでとう』と優しく接してくれた」そうです。「うれしかったです。同じような立場の人たちを勇気づけたいとも思っています」
一方、「日本に来て彼には不安もあったが、証明書を手にして精神的に落ち着いてきました。ただ、ビザのために山のような書類を用意しないといけない」とも。カナダで結婚していても日本では同性婚は法的に認められていないため、配偶者ビザを手にすることができません。ハメルさんは自宅で英会話教室を開いていますが、毎年ビザを更新する必要があります。
法的に家族と認められず、権利保障もないことも心配の種です。「来日したときに制度を設けるように市役所にお願いに行きました。そこから考えると一歩前進。10年かかるかもしれないけれど、同性婚が法的に認められてほしいです」
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全国の政令指定都市でまだ制度が導入されていないのが仙台市と神戸市です。
仙台市では昨年2月、市の男女共同参画推進審議会が市に対して「男女共同参画せんだいプラン」に同性パートナーシップ証明制度の検討を盛り込むよう求めていましたが、その後、市が導入に向けて検討を進めている様子はうかがえませんでした。
10月18日、郡和子仙台市長の記者会見で制度導入の遅れについて質問がなされ、市長は「他の自治体より遅れているとの指摘は真摯に受け止めないといけない。当事者の中でもさまざまな意見があり、より良い制度とするために時間を要している。性的少数者への市民の理解は随分と深まっているという肌感覚は持っている」と答えました。
神戸市では10月18日、同性パートナーシップ証明制度の創設に向けた協議を開始することを求める陳情が採択され、ようやく協議が始まることになりました(唯一、市議会自民党会派が反対…その理由はこちらに掲載されています)
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それから、今後実施される市区町村の選挙における、同性パートナーシップ証明制度(や同性婚)に関する動きをまとめてお伝えします。
昨年、新宿区議会に「パートナーシップ&ファミリーシップ証明制度」条例案を共同提出し、区議会で性的マイノリティの当事者として切々と訴えたよだかれんさんが、11月6日に告示される新宿区の区長選に立候補し、再び新宿区としての制度実現に取り組む意向を表明しています。
那覇市では、10月23日に行なわれる那覇市長選挙に2人の候補者が立っています。
候補者への政策アンケートで、同性婚法やLGBT関連法整備(差別禁止法などのことだと思われます)についての設問も設けられており、こちらにその結果が掲載されています。
京都府大山崎町でも16日に町長選と町議選が行なわれましたが(すでに結果が出ていますが)、町内でコーヒー焙煎所を営む中村佳太さんが町長選への立候補者2人にTwitterで「パートナーシップ宣誓制度」導入に関する意志を尋ね、両者から前向きな回答を得たことが報じられていました。中村さんは「小さな町だからこそ声が上がりにくいかもしれないが、差別に悩む人は必ずいる。誰にとっても住みやすい町であってほしい」と語っています。小さな町でもこのように動いてくださるアライの方がいらっしゃるのはうれしいことです。
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渋谷区と虹色ダイバーシティの共同調査によると、10月11日時点で全国の同性パートナーシップ証明制度導入自治体は239(人口カバー率は55.6%)、交付件数は9月30日時点で3456組に上っています。11月に東京都で導入されると人口カバー率は一気に増えて、6割を超えそうです。
全国のこんなにたくさんの自治体で、一つひとつ、それぞれに同性カップルも婚姻と同等であると認め、証明書を発行するという制度への検討がなされ、承認されてきたということ、その後ろには、制度導入を求めてアクションを起こしてきたたくさんのLGBTQ+Allyの方たちもいるということを思うと、感謝の念を禁じえません。
多くの方たちが語ってるように、国も早く同性カップルの権利を保障していただきたいですね。
参考記事:
パートナーシップ宣誓制度“オンライン届け出”スタート 東京(日テレ)
https://news.ntv.co.jp/category/society/d3192f685e474173b14dd2e68907f208
「パートナー」制度の申請開始 来月1日から導入―東京都(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101100889
「都パートナーシップ宣誓制度」受け付け始まる 喜びいっぱいの申請者たち「家族だと思える大きな一歩」(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/207649
愛知・豊山町 パートナーシップ制度の第1号カップルに証明書(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20221013/3000025338.html
豊山町のパートナーシップ宣誓制度に第1号 証明書手に喜び(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/562494
パートナーシップ制度 「誰とでも」当たり前に 橋本市でカップル“第1号”(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20221007/ddl/k30/040/319000c
パートナーシップ制度 性的少数者の「安心」に 橋本市が研修会(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20221005/ddl/k30/010/342000c
性の多様性尊重「にじいろのまち」 高知・香南市が宣言(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASQBK73G1QBCPTLC00G.html
多様な性尊重へ宣言(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kochi/news/20221011-OYTNT50032/
大田原市 “パートナーシップ宣誓制度”を導入(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20221018/1090013615.html
栃木県もパートナーシップ宣誓制度を導入 一歩前進も課題は…(朝日新聞)
https://digital.asahi.com/articles/ASQBG6W51QB4UUHB005.html
郡和子仙台市長 定例記者会見 10/18(河北新報)
https://kahoku.news/articles/20221018khn000034.html
元区議の依田さんが新宿区長選出馬表明(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/202723
那覇市長選2候補の政策アンケート(下)渋滞対策は? 中心商店街の環境どう改善?(沖縄タイムス)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1043588
小さな町の町長選「ジェンダー議論」願うコーヒー店主(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20221013/k00/00m/040/130000c