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【同性パートナーシップ証明制度】福岡県、東京都多摩市、神奈川県綾瀬市・寒川町など
福岡県は昨年9月、県として「パートナーシップ宣誓制度」の導入に向けて検討を進めていく考えを明らかにしましたが、福岡県の服部知事が1月25日の会見で4月から制度をスタートすることを発表しました。都道府県としての同性パートナーシップ証明制度の導入は、茨城県、群馬県、大阪府、佐賀県、三重県に次ぐ全国6例目となります。
4月1日から、県の窓口に二人で宣誓書を提出すると宣誓受領証カード(パートナーシップ証明書)が交付されます。
カードを提示すれば、県営住宅で同居するための申込みができるほか、県立太宰府病院でパートナーの病状の説明を受けられるなど、これまで認められなかったことが可能になります(受けられる行政サービスの詳細はこちら)。また、県は、公営住宅を持つ県内の市町村や約5千の不動産業者にも制度の活用を要請し、住宅ローンを審査する金融機関にも協力を求めるといいます。
それから、東京都多摩市が2月1日から「多摩市パートナーシップ制度」を導入することが明らかになりました。
「多摩市は、「多摩市女と男の平等参画を推進する条例」第3条に定める理念に基づき、多様な性的指向・性自認に対する理解が未だ十分に進んでいない中で、生きづらさを感じているLGBTQ+当事者等への支援として「多摩市パートナーシップ制度」を導入します。制度の実施を性的指向及び性自認を理由とした生きづらさや差別・偏見の解消、地域における理解の促進につなげ、全ての人が性別並びに性的指向及び性自認にかかわらず住みやすく暮らしやすい社会を実現することを目的としています」
一方が市内居住、もしくは3ヵ月以内に市内に転入予定であることが条件で、宣誓書類を提出すると宣誓受領証と受領証カードを発行してもらえます。病院での面会や避難所での安否確認、不動産契約などの際に役立つそうです。お問い合わせはTAMA女性センターへ。
東京都では都内8区4市で同性パートナーシップ証明制度が導入されていて、多摩市と、4月から導入予定の北区・荒川区を加えると10区5市になります。また、東京都としても2022年度内に制度導入を予定しています。
なお、東京新聞が東京23区に調査したところによると、品川区が区民や有識者の意見を受けて導入を検討しており、都が2022年度中の導入を予定していることを受けて中央区や台東区は「都の動向を注視する」としているそうです。ちなみに、二丁目を擁する新宿区は、特にコメントがなかったようです。
<東京23区の同性パートナーシップ証明制度導入状況>
【制度あり】(導入順)
渋谷、世田谷(2015年)、中野(2018年)、豊島、江戸川(2019年)、港、文京(2020年)、足立(2021年)
【導入予定】
北、荒川(今年4月導入予定)
【なし】
千代田、中央、新宿、台東、墨田、江東、品川、目黒、大田、杉並、板橋、練馬、葛飾
同じく2月1日から、神奈川県綾瀬市でも「綾瀬市パートナーシップ宣誓制度」がスタートします。
綾瀬市は2020年に策定した「第3次あやせ男女共同参画プラン」の基礎調査として2019年に実施した2500人への意識調査で、回答者の1.4%が性的マイノリティとして差別・偏見を受け、ストレスを感じたことがあると回答したそうです。こうしたことを背景に、同制度の導入を決めたといいます。
市内に住所があり、パートナーが3ヵ月以内に転入予定の成年が対象で、成人年齢が引き下げられる今年4月以降は18歳と19歳も対象に加えるそうです。
宣誓を所管する市民課は「性の多様化への理解を深め、差別や偏見のない自分らしい生き方ができる社会の実現をめざしたい」としています。
神奈川県寒川町でも2月1日から「パートナーシップ宣誓制度」がスタートします。
寒川町は藤沢市・茅ヶ崎市と連携協定を結んでいるため、これらの自治体間での転入・転出の際は、宣誓受領書を返還することなく引き続き使用できます。
神奈川県では、これまでに横須賀市、小田原市、横浜市、鎌倉市、相模原市、逗子市、川崎市、葉山町、三浦市、大和市、藤沢市、茅ケ崎市、南足柄市、大井町、松田町の12市3町で制度導入が実現しており、今回の綾瀬市・寒川町を加えると、神奈川県内自治体の過半数を超えることになります。また、4月からは平塚市、二宮町でも導入予定です。
参考記事:
福岡県も「パートナーシップ制度」 今年4月1日から導入へ(RKB毎日放送)
https://rkb.jp/article/61241/
パートナーシップ制度、福岡県が4月導入の方針 住宅確保の一助へ(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASQ1R5QSFQ1GTIPE01S.html
多摩市が同性カップルのパートナーシップ証明 都内で12市区に制度(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASQ1Y725NQ1XUTIL04S.html
北区と荒川区もパートナーシップ制度導入へ 同性カップルに「行政として寄り添う」 東京23区では計10区に(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/156167
パートナー制度の導入 県内自治体、過半数に 綾瀬市・来月から/平塚市・4月から(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/156831?rct=kanagawa