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　リル・ナズ・Xがファースト・アルバム『MONTERO』のリリースの前に、このアルバムのトラックリストとHIV団体やLGBTQ団体などを紐付けた「baby registry」を発表し、ファンたちに寄付を促しました。『TMZ』誌によると、すでに数万ドル以上の寄付が集まったとみられています。
　
　
　MTVアワードでオープンリー・ゲイのアーティストとして初めて「ビデオ・オブ・ザ・イヤー」に輝き、METガラではきらびやかなゴールドの甲冑姿を披露し、9月17日には自身初となるフルアルバム『MONTERO』というbabyを「出産」し、多方面でセンセーションを巻き起こすカリスマとなっているリル・ナズ・X。MTVアワードのステージ・パフォーマンスやニュー・シングル「THATS WHAT I WANT」のMVではさりげなくHIV予防についてのメッセージを発信し、また、先日はLGBTQユースの自殺防止に取り組む団体「トレヴァー・プロジェクト」が新たに設立した「自殺防止提唱オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、決してセールスのための話題作りや人気取りに明け暮れているわけではなく、弱冠22歳ながら慈善活動にも取り組んでいます。

　そんなリル・ナズ・Xは、発売前からたいへんな注目を集めていた初のアルバム『MONTERO』の特設サイト上に8日、「baby registry」を掲載し、自身のプラットフォームを重要な社会的課題へのチャリティの機会に充てました。
 「baby registry」は、収録曲それぞれにLGBTQやHIV/エイズなど様々な団体の紹介とリンクを紐付け、ファンが寄付してくれることを促すものです。
　このアルバムのメインとも言える代表曲「MONTERO (Call Me By Your Name)」は、トランスジェンダー支援団体「Transinclusive Group」に紐づけられ、5000ドルの寄付を集めました。
　新曲「That’s What I Want」にリンクしていたフロリダ州の黒人のクィアを支援する「Bros in Convo」は、すでに3万ドル以上の寄付を集めました。
　マイリー・サイラスとのコラボ曲「Am I Dreaming」は、マイリーが設立したホームレスのLGBTQユースを救うための団体「Happy Hippy Foundation」への寄付に貢献し、こちらも7000ドルを集めました。
　その他、米国南部でのHIV感染拡大と闘うために予防啓発やスティグマの低減についての活動を行なうギリアド・コンパス・イニシアチブに参加している13のHIV団体がリンクされていました。

　米国のLGBTQ権利擁護運動の機関誌的な存在である『Advocate』誌は、「リル・ナズ・Xは文字通り「与える」ことを真に続けている才能（the gift）なのです」と称えています。

　GLAADの有色人種コミュニティ・アソシエイト・ディレクター、ダショーン・アッシャーは、こう語っています。
「リルナズのファーストアルバムはエンターテイメントであるというだけでなく、目的で満ちています。彼の「ベイビー・レジストリー」は、南部諸州コミュニティのHIV予防に携わる13の団体に光を当てています。これらの団体は、十分に治療が進みウイルス量が検出限界値以下となったHIV陽性者は他の人に感染させないということや、HIVを持っていてもずっと健康に生きていけるということの教育やエンパワーメント、スティグマとの闘いに携わってきました。リルナズがシェアしてくれたことに敬意を表します」
　
　　
参考記事：
Lil Nas X’s Montero Album Has Raised Over $100,000 for Charity（Advocate）
https://www.advocate.com/arts-entertainment/2021/9/20/lil-nas-xs-montero-album-has-raised-over-100000-charity
Meet the Southern HIV and LGBTQ Organizations on Lil Nas X’s Baby Registry（GLAAD）
https://www.glaad.org/blog/meet-southern-hiv-and-lgbtq-organizations-lil-nas-x%E2%80%99s-baby-registry
'MONTERO' MADE TENS OF THOUSANDS For Charities on Debut Day（TMZ）
https://www.tmz.com/2021/09/19/lil-nas-x-montero-charity-baby-registry/