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今回のパラリンピックに出場する唯一のゲイの選手であるリー・ピアソン選手が金メダルを獲得、「どんなかたちであれ、愛が勝たなければなりません」とスピーチ
東京パラリンピックの馬術競技で、英国代表であり、オープンリー・ゲイであるリー・ピアソン選手が、キャリア12個目となる金メダルを獲得しました。
リー・ピアソン選手は2000年シドニー大会から6大会連続出場のベテランです。パラ馬術の第一人者であり、27年前にゲイであることをカムアウトしています。そして26日、馬事公苑で行なわれた馬術・個人規定(障害2)で見事に通算12個目となる金メダルを獲得しました。自身で育て上げた愛馬ブリーザーとともに優勝できたことに「とても感慨深い。馬場でつい泣いてしまった」と語ったあと、今回のパラリンピックに出場する32名※のうちの1人であり唯一のゲイの選手として、LGBTQへの差別・偏見が払拭されることを願うスピーチを行ないました。
「どんなかたちであれ、愛が勝たなければならないと思います。もし、あなたが障害を持って生まれてきたとしても、障害を持った子を持っていても、同性に惹かれて生まれてきたとしても、娘がカミングアウトしても、息子がカミングアウトしても、ただ彼らを愛せばいいのです。
人と違うことをしたいと思う人はいませんが、違う人を受け入れなければなりません。それが社会であり、世界なのですから。違う人々はどこにも行きません。違法にしたって、最低な気持ちにさせたって、世界のどこかで、また別のゲイの男の子や女の子が生まれてくる。世界のどこかで、手足のない人が生まれてくる。私の言っていることがわかりますか?
人生は続いていくものだし、今の時代に100年遅れの石器時代のままの国があるのは愚かなことです」
そして、いまだにLGBTQが受け容れられていない国も多いことについて尋ねられたピアソン選手は、「パラリンピックの意義は受容です。それが障害に関する受容にとどまり、LGBTQが受容されないのであれば、残念なことです」と語りました。
※東京パラリンピックに出場するLGBTQアスリートは少なくとも30名とお伝えしていましたが、Outsportsが作成しているLGBTQパラリンピアンのリストは少しずつ登録が増えており、現在32名に上っているそうです。
トム・デイリー選手もそうですが、今大会のゲイの金メダリストは英国の方が圧倒的に多いですね。それだけ英国が(ロンドン五輪の際に公式のゲイプライドグッズが作られたりもしていましたが)ゲイのアスリートがオープンに活躍できる国だということを物語っています。
参考記事:
ピアソン、12個目の「金」/馬術(サンスポ)
https://www.sanspo.com/article/20210826-TXF5T6MGFRIITNPFGOWTN5YI3A/
「ただ彼らを愛せばいいのです」LGBTQ+のパラ選手のスピーチを聞いてほしい(フロントロウ編集部)
https://front-row.jp/_ct/17476775