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英政府が過去のLGBTQ差別待遇に対して公式に謝罪しました
英外務省は7月5日、LGBTQに対する過去の差別的待遇を正式に謝罪しました。英国では1991年までLGBTQが外交官として働くことを禁じる規定がありました。
フィリップ・バートン事務次官は職員へのメッセージで「LGBTQは脅迫を受けやすく、安全保障上のリスクになるという認識があった。この誤った考え方のために、人々のキャリアが終わったり、短くなったり、始まる前に止められたりした。英国で最も優秀な人材を失うことになった」と述べ、謝罪しました。
今年2月には、英秘密情報局(MI6)が同様に1991年までLGBTQの採用を不当に禁じていたことに対して謝罪しています。
また、2009年、英国のブラウン首相(当時)がアラン・チューリングに対して行なった過去の仕打ちに対して公式に謝罪しています。
カナダでは2017年、トルドー首相が過去の性的マイノリティ迫害を公式に謝罪しました。英国と同様、冷戦終結後の1992年まで、LGBはスパイに利用されやすいとの口実で公職(政府の職や軍隊など)から追放された人々が数千人もいたそうです。トルドー首相は涙を拭いながら、この「国家による組織的な抑圧と排斥」に対し、「政府や議会、カナダ人を代表して言います。私たちは誤っていました。謝ります。二度と繰り返しません」と謝罪しています。(国会議員が総立ちとなり、数分間、大きな拍手を送ったそうです)
ゲイのジャーナリスト・北丸雄二さんは、こうした国による過去の差別事例への謝罪について、「これはね、あの時の「自分」が今の「自分と違うということを内外に示し、かつあの時の「自分」を今の「自分」が当時の被害者とともに批判するという行為なんです。「謝罪」とは、同時に、今の自分にとっては他人である過去の自分への「断罪」でもある。そうやって自分に片をつけていく行為なんですね」とコメントしています(深いですね…)
参考記事:
英政府、LGBT差別を謝罪=30年前の外交官規定(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021070600148