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【プライド月間】宇多田ヒカルさんがノンバイナリーであることをカミングアウト
宇多田ヒカルさんが26日、自身のインスタグラムのライブ配信でノンバイナリーであることをカムアウトしました(おめでとうございます。ハッピープライド!)
宇多田ヒカルさんの26日夜のインスタグラムライブでは、自身が主題歌「One Last Kiss」を提供した映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の庵野秀明監督がゲスト出演することになっていましたが、その前段で、「別のスペシャルゲストを紹介したいと思います。私の親友のクマ、クマちゃん。彼はゲイです。男の子でゲイなんです」「今は6月で、私はノンバイナリーです。だから、ハッピープライドマンス!おめでとう!」「私は、この数年で知って、それなんだって思ったけど、日本でどれくらい広まっている言葉かわからないのだけど、ノンバイナリーに該当するなって最近知ったので」と英語で語りました。
宇多田さんは18日のインスタグラムの投稿でも、「『ミセスかミス、どちらで呼んだらいいですか?』と聞かれることや、日常的に『ミス・ミセス・ミズ』のどれかを選ばなきゃいけないことにうんざり」「自分の婚姻状態や性別を前面に押し出す呼ばれ方に違和感しかないし、どの敬称もしっくりこない。選ばされる度に、自分を間違って表象する(misrepresent)ことを強いられてると感じる。どんなジェンダーや社会的立場であっても、誰でも使える別の選択肢があったらいいのに」とコメントしていました。さらに「…これを書いたあと、Mx.っていう敬称があるのを見つけたよ。これは素晴らしい。もっと広まるといいのに。このジェンダーニュートラルな敬称のアイデアが遅すぎじゃなければいいんだけど…」と語り、新しく自身が考案した敬称として「Mys.(=mystery)」と記した画像を披露しました。
宇多田さんのノンバイナリー・カミングアウトを受けて、28日の「スッキリ」(日テレ)では、ノンバイナリーについて詳しく取り上げられました。
松岡宗嗣さんが出演し、「男女二元論には当てはまらないことを表す言葉」「その人の性の在り方を勝手に決めつけずに、本人の性自認を尊重することが求められる」などと説明。さらに、米国では一部の州で運転免許証に「男性、女性」のほかに「X(エックス)」という項目が追加され、ノンバイナリーの方が選択できるようにしていること、また、パスポートの性別欄に「X」を導入している国もあると説明されました。
また、NPO法人「共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」の原ミナ汰代表理事の見解も文字情報で伝えられました。ノンバイナリーとは「自分の性別を男女どちらかに限定したくない人、限定できないと感じる人」のことで、「申請書の男女を選ぶ欄に違和感がある、どちらにも当てはまらない、と感じる感性のひとつ。宇多田さんの発言は心強い」とのコメントでした。
PRIDE JAPANの用語解説でも紹介していますが、海外でもサム・スミスや『クィア・アイ』のジョナサン・ヴァン・ネス、デミ・ロヴァートらがノンバイナリーとカムアウトしています。
宇多田ヒカルさんは以前から、同性愛者のストレートへの恋心を歌った「ともだち」という歌を発表するなど、アライとして認知されていましたが、今回、ノンバイナリーであるとカムアウトしたことは、本当に歓ばしく、素晴らしいことです。ちょっと予想もつかないくらいポジティブな影響を世間に与えるのではないでしょうか。
参考記事:
宇多田ヒカル「私はノンバイナリー」 「スッキリ」が取り上げ米国の状況など説明(J-CASTテレビウォッチ)
https://www.j-cast.com/tv/2021/06/28414737.html
宇多田ヒカルは男性?女性?「私はノンバイナリー」告白に共感相次ぐ「ミステリーウタダ」新敬称も提案(中日スポーツ)
https://www.chunichi.co.jp/article/280737