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ハンガリーの反LGBT法への抗議として、ミュンヘンのアリアンツ・アレナがレインボーカラーにライトアップされます

 欧州サッカー連盟(UEFA)は20日、ブダペストで開催された欧州選手権1次リーグF組ハンガリーvsポルトガル戦およびハンガリーvsフランス戦でLGBTQへの差別的な事象があったとして、調査に入ったことを発表しました。スタンドに「反LGBTQ」の横断幕が掲げられていたことが、SNSなどにアップされた写真から確認されたためです。
 
 ハンガリーでは6月15日、LGBTQについて公に語ることを禁じる反LGBTQ法案が可決され、非難の声が上がっていました。

 ドイツのミュンヘン市議会は、23日に行われるユーロ2020(UEFA欧州選手権)第3戦ハンガリー代表戦に向けて、試合が行われるミュンヘンのアリアンツ・アレナをレインボーカラーにライトアップするように呼びかけています。
「バイエルン州の州都・ミュンヘン市は、スポーツや社会全体における多様性、寛容性、そして真の平等を重視するものです」と、ディーター・ライター市長は宣言し、UEFAやドイツサッカー連盟へと働きかける考えを示しました。
 ディーター・ライター市長がドイツ通信社に語ったところでは、「全ての議会グループから動議が提出された後、週明けにも主催者であるUEFAやドイツサッカー連盟に連絡する考えです。これは寛容と平等という観点からみて重要なシグナルとなります」と語っています。
 
 ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」では、横山久美さんがトランス男性であることをカムアウトしたことについて、「横山のような知名度のある人物が公表することによって、LGBTQだけにとどまらず「だれでも自分の好きなように生きていっていい」という多様性がより広がればいいなと強く思う」と述べられています。
 また、横山さんのカミングアウト映像で、米国のチームメートに「日本ではなかなかカミングアウトしづらい状況がある」という旨を説明したところ「日本ってちっちゃいね」と言われたエピソードに言及し、「筆者も先日、「LGBT理解増進法案」が与党・自民党内の了承を得られず、国会提出に至らなかったというニュースを聞いた際、「ほんと日本って小せえな」と感じたしだいだ」と、「UEFAが示した世界の潮流や、横山のカミングアウトがより多くの人々に良い影響を与え、1人1人が生きていきやすい世の中になることを切に願うばかりだ」と締めくくられています。日本のスポーツメディアでこのような力強いメッセージが聞かれるようになったこと、たいへん心強く感じます。
 

【追記】
 こちらの記事によると、UEFAは今回のユーロ2020に関して「11のスタジアムはUEFAと参加国の色でのみ点灯する必要がある」という規則があるため、試合日にレインボーカラーに点灯することはできないとしているそうです。が、フースバル・アレーナ・ミュンヘンは試合のない28日にレインボーカラーに点灯されるそうです。

 
 
参考記事:
ハンガリーの対LGBT法への抗議、アリアンツ・アレナを虹色に(kicker)
https://kicker.town/deutschland/2021/06/162496.html
Euro 2020: Proposal to illuminate Munich arena in LGBT+ colors for visit of Hungary(DW)
https://www.dw.com/en/euro-2020-proposal-to-illuminate-munich-arena-in-lgbt-colors-for-visit-of-hungary/a-57966739
差別なく、1人1人が生きていきやすい世の中になることを切に願う(日刊スポーツ)
https://www.nikkansports.com/soccer/world/column/chiba/news/202106210000269.html

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