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同性婚実現から2周年を迎えた台湾で、LGBTQ団体が「民法で結婚の平等の保障を」と求めました
5月24日、台湾で同性婚特別法が施行されてから2周年を迎えるにあたり、性的マイノリティの権利向上を目指す団体「台湾伴侶権益推進連盟」が政府と立法院(国会)に対し、同性婚の権利を民法で保障するよう呼びかけました。
2017年5月、台湾の司法院大法官会議(憲法裁判所)が同性婚を認めない現行の民法は違憲だと判断し、2年以内の立法措置を求めました。本来であれば、男女間と定義している民法を改正し、結婚の平等を達成するべきですが、保守派の運動によって2018年11月、国民投票が実施され、民法による同性婚の保障(結婚の平等)は反対多数で否決され、特別法の制定によって同性婚が実現されることになりました。
台湾では原則として国民投票から2年間は結果に反する政策が実施できないとされていますが、同団体はその期限をすでに迎えていることに言及し、同性婚は異性婚と比べ、国籍が異なるパートナーとの結婚(出身国で同性婚が認められていない場合国際同性結婚ができない)や、血縁のない子どもとの養子縁組が認められないなどの制限がある、平等とはまだ言えないと指摘しました。
そして、台湾で現在、新型コロナウイルスの感染が広がっていることに触れ、この感染拡大により、平等な権利を持たない同性カップルはより弱い立場に置かれているとし、政府と立法院に対し、婚姻の平等を早期に実現させるよう訴えました。
なお、同性婚法施行2周年に合わせて行政院(内閣)が実施した世論調査によると、「同性カップルは合法に結婚する権利を持つ」と考える人が60.4%に達し、昨年より7.9ポイント増となりました。「同性カップルに他人の子を育てる権利を認めるべき」には67.2%が賛成しました。現行法では、養子縁組は、カップルのどちらかに血縁関係がある子にしか認められていません。「同性カップルも子どもをきちんと育て上げられる」には72.2%が賛同したそうです。
いまだに「LGBT差別は許されない」と法に明記するだけでも紛糾し「種の保存に反する」などと差別発言が飛び出す日本との、あまりの違いにクラクラしますね…。世田谷区議の上川あやさんはこのニュースについて「すでに2年前、同性婚が可能になった台湾…。同性婚への支持率は日本と変わらないのに、大きく異なるのは政治の差。16の先住民族の言語を国語と認め振興したり差異に優しい。どちらが先進国なのか…」とコメントしています。
参考記事:
同性婚、「民法」で保障を=促進団体 特別法施行から2年/台湾(中央社フォーカス台湾)
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202105240003.aspx
同性カップル「結婚の権利ある」6割 行政院世論調査 特別法施行2年/台湾
https://japan.cna.com.tw/news/asoc/202105230002.aspx