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「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」への賛同企業の募集が始まりました

「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」への賛同企業の募集が始まりました

 5月17日(IDAHOBIT=国際反ホモフォビア・バイフォビア・トランスフォビアの日)、「Equality Act Japan - 日本にもLGBT平等法を」がビジネス界に向けて、日本におけるLGBT平等法の導入を支持し、性的指向や性自認に基づく差別を禁止し、誰もが平等に扱われるインクルーシブな職場・社会づくりを目指すための「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」への賛同を募ることを発表しました。この宣言への賛同は、PRIDE指標2021の「レインボー」認定条件の一つ、「LGBTQ関連法整備への賛同」としてカウントされます。



ビジネスによるLGBT平等サポート宣言
Business Support for LGBT Equality in Japan


 私たち賛同企業は、日本におけるLGBT平等法の導入を支持し、性的指向や性自認に基づく差別を禁止し、誰もが平等に扱われるインクルーシブな職場・社会づくりを目指すことを宣言します。

※企業には、非営利ビジネス・非営利事業者を含む




 本日「Equality Act Japan - 日本にもLGBT平等法を」が実施したオンライン記者会見で、LGBT法連合会の五十嵐ゆり理事は、(アライ企業の皆様のご尽力のおかげもあって)LGBTQが不利な扱いを受けないための職場環境作りがずいぶん進んできて、声を上げることができる当事者も増え、世論の動きもあり、改善が進んできているのは喜ばしいと、また、パワハラ防止法制定によってSOGIハラ・アウティングの禁止が明記され、企業での取組みがしやすくなったという声も聞かれると語りました。一方で、LGBTQを包括的に差別から守る法律がまだ存在しておらず(現在審議中のLGBT法案については後述)、全EU加盟国を含む80ヵ国以上が雇用における性的指向での差別禁止を謳っていることなどから、「企業のアクションが大事です」として、「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」への賛同が呼びかけられました。

 続いてLGBT法連合会の神谷悠一事務局長から、改めてLGBT差別禁止法についての説明がありました。海外では、例えばEUに加盟するためには差別禁止法の制定が必須となっており、グローバルスタンダードともなっていますが、日本では法整備がなされていませんでした。現在、与党が提案する理解増進法、野党が提案する差別解消法の一本化の作業のなかで、理解増進法の中の定義の部分(目的、基本理念)を修正し、差別解消の趣旨も盛り込まれ、「第一歩」とはなりましたが(まだ制定されていませんが)、これによってグローバルスタンダードの差別禁止条項を満たす法律になるかというと、必ずしもそうではありません。企業に関するところ(社内での啓発や相談事業)についても努力義務に留まり、実施されるかどうかはわからない状況です。3年後の見直しもありますし、引き続き、差別解消法を求めていくそうです。
 
 それから、ヒューマン・ライツ・ウォッチ国際理事の柳沢正和氏(『職場のLGBT読本』の共著者の方)から国内外の潮流についてお話がありました。ヒューマン・ライツ・ウォッチは30年以上にわたって人権問題に取り組み、声を上げられない被害者に代わって人権が踏みにじられている状況を世界に伝え、政策提言を行なってきました。日本でもマネックス証券の松本社長がヒューマン・ライツ・ウォッチの理事を務め、人権とビジネスに関しても取り組んできたそうです。LGBTQに関しては、学校でのいじめや、トランスジェンダーに対する人権状況を調査し、提言を行なってきました。今回のLGBT法に関する協議でも、LGBT法連合会とともに、差別禁止規定の盛り込みを提案してきました。国際ビジネスコミュニティも注目しています。
 柳沢氏は、ビジネス界でも日本でのLGBTQの社会的課題の解決をサポートしていただきたいと考える3つの理由を挙げています。
・人材獲得、人材維持、適材適所というところで、日本は国際競争上、非常に不利な立場に置かれている。OECD加盟国の中で、法整備状況は下からら2番目。日本は赴任先として選ばれない傾向にある。英国の同性婚団体による調査では、当事者のエグゼクティブの中で(LGBTQが法的に守られない)日本への赴任を希望した人はたった2%しかいなかった。
・差別のない社会でこそ、人は輝ける。イノベーションや生産性につながる。経団連によると、LGBTQのインクルージョンに81%の企業が賛同しており、企業においてもLGBTQの人権を課題とみなしてよい時期に来ている。企業にとってのインフラと言っても過言ではない。性的指向や性自認に基づく差別が当事者の雇用の不安定さのファクターの一つとなっていることは、各種調査からも明らか。LGBTQの人権を擁護している欧米先進国のほうがGDPが高いという優位性も明らかで、LGBTQへの取組みが経済的課題を解決することにもつながっている。
・昨今、SDGsと合わせてESG投資についての関心が急速に高まっている。運用会社は、女性の取締役の割合などとともに、LGBTQにも明示的に取り組むことが求められるようになっている。対投資家のミーティングでも、よくLGBTQのことが話題にのぼっている。
 こうした3つを背景として、ビジネス界からも差別禁止法を支持する声を上げ、政府に要望していくことが大切です、と語っていました。


 現時点ですでに、日本企業としてはEY Japan株式会社、日本コカ・コーラ株式会社、株式会社ADAC、セガサミーホールディングス株式会社、デロイト トーマツ グループ、PwC Japanグループ、海外企業としてはThe Coca-Cola Company、PwC、Salesforce、intelが賛同しています。

 賛同を検討してくださる企業様は、こちらからお申し込み・お問い合わせください。
 

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