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当事者も多く働くLGBTQ支援企業「IRIS」が、米国の大手企業と連携して不動産仲介の全国展開を開始しました
住まい・不動産を中心にLGBTQのライフプランについて幅広くサポートを行なってきた「IRIS」が、米国不動産運用資産大手の「CBRE GI」と連携し、当事者による不動産会社として日本初の全国展開を開始しました。
IRIS(アイリス)は、ファイナンシャルプランナーである須藤啓光(あきひろ)さんを中心に2014年に設立されたLGBTQ支援企業です。スタッフは当事者またはアライの方たちばかりで、住まいや不動産、将来の資金計画、保険、終活など、LGBTQ(性的マイノリティ)のライフプランについて幅広くサポートを行なっていて、特に同性カップルの同居などお部屋探しのサポート事業に力を注いできました。2016年からは東京レインボープライドにブース出展しています。当事者による不動産会社の代表的存在です。
これまでは首都圏の賃貸物件を仲介してきましたが、2021年4月8日、米国不動産運用資産大手のCBRE GIの日本法人「CBRE GI Japan(シービーアールイーグローバルインベスターズジャパン株式会社)」と連携し、首都圏以外のエリア(北海道、宮城県、広島県、愛媛県、福岡県、近畿圏、中部圏)でも「CBRE GI Japan」が資産運用する「CITY SPIRE」シリーズなどの物件を紹介できるようになり、賃貸仲介サービス対応エリアが全国に拡大しました。首都圏以外のエリアでは、オンラインで「IRIS」の当事者スタッフなどが応対して入居をサポートし、物件の案内などを現地の「CBRE GI」および協力会社が行なう予定です。同性カップルの同居に関しても異性カップルと平等に入居審査が行なわれます。
(これまで、SUUMOの物件検索などはありましたが)当事者によるLGBTQ支援不動産会社が全国エリアをカバーするのは日本初の試みです。
SUUMOが実施した住まいに関する当事者アンケートでは、家探しに「苦労した」「やや苦労した」が全体の44.3%に上り、「「ええっ」って顔をされた」「不審がられた」「断られた」「偏見の目で見られた」などの声が聞かれました。
昨年末、沖縄県の不動産業者が「LGBTの方お断り」と同意書に記載していたことが問題視されたというニュースも記憶に新しいところです。もしゲイだとバレたら、トランスジェンダーだとバレたら、その物件から追い出されてしまうなんて、差別以外の何物でもありません…。
大家さんや不動産会社の間でもまだまだこうした差別や偏見が払拭されていない実態が明らかになっているなか、当事者の方が応対し、親身にサポートしてくれる不動産会社の存在は本当にありがたいことで、そのサービスが首都圏だけでなく全国に拡大するというのは、地方で安心してお部屋探しをしたいと感じていた当事者の方たちにとって、とても有意義なことと言えそうです。
IRIS代表取締役COOの石野大地さんは「都市部以外でのLGBTQへの理解があまり進んでいないなか、日本の住宅環境が大きく変わるきっかけとなれば」と語っています。
参考記事:
LGBTsフレンドリーな不動産会社「IRIS」が、当事者による不動産会社として日本初の全国展開を開始。米国不動産運用資産大手の「CBRE GI」と連携。(VALUE PRESS)
https://www.value-press.com/pressrelease/268535