NEWS
徳島県内の全首長に対して同性婚への賛否を聞いた結果、賛成8、反対1、その他16となりました
徳島新聞が県内の全24市町村の首長および県知事に対して同性婚に賛成か反対かのアンケートを実施し、賛成8名、反対1名、その他16名であったことが明らかになりました。地方自治体の首長に同性婚についての意見を聞くアンケート、しかも県内の全自治体の首長にまんべんなく尋ねるのは珍しいことで、たいへん貴重なデータだと言えます。
徳島新聞は昨年10月から11月にかけて、県知事と徳島県内24市町村長を対象に「家族の在り方についてのアンケート」を実施し、同性婚について「賛成」「反対」「その他」から最も近い選択肢を選び、その理由を記述してもらいました。結果、25名の首長のうち9人が同性婚への賛否を示し、賛成は8名、反対はわずか1名でした。
賛成と回答したのは、徳島、阿南、吉野川、阿波、美馬の5市長と神山、那賀、海陽の3町長の計8名。差別解消や個の尊重を理由とする回答が目立ったそうです。一方、反対と回答したのは上勝町長のみ。理由は「子どもを産み、育てることを重要だと考える」でした。
飯泉嘉門徳島県知事ら16名は「その他」を選び、賛否を明言していません。県知事は「法律上の解釈について議論の過程にある」としたうえで、国による議論の深まりを要望しています。鳴門市長、勝浦町長は国による議論や判断を求め、三好市長、藍住、上板両町長は憲法解釈の明確化や司法判断が必要だと回答しています。石井、東みよし両町長は「個人の意思が尊重されるべきだ」と賛成に近い意見を表明しました。このほか「意見を言う立場にない」「本町で議論できていない」などの声もありました。
(アンケート結果の詳細はこちら)
なお、徳島県内で同性パートナーシップ証明制度を導入しているのは徳島、吉野川の2市でしたが、この4月から北島町でも導入されました。役場で宣誓したカップルに「お二人が人生のパートナーとして、いきいきと輝き、活躍されることを期待しています」と記された宣誓書受領証(証明書)カードを交付してもらえます。北島町住民課は「法律上の婚姻ができない人の困り事や生きづらさの解消につなげたい」としています。ほかにも、鳴門市、美馬市も導入する方針を示しているそうです。
それから、徳島市は、2月1日付で同性パートナーシップ証明だけでなく、ファミリーシップ証明制度にも制度を拡充しました。明石市に続き、全国で2例目です。徳島市の内藤佐和子市長は「明石市は全国に広がってほしいという思いで導入されたと思いますが、私も同じように感じています」「徳島市が(2020年4月に)パートナーシップ宣誓制度を導入したことで、吉野川市など徳島県内の他の自治体にも波及していっています。ファミリーシップについても県内などの自治体にどんどん広がればいいなと思っています」「もっと生きやすい社会が広がってほしい」と語っています。
この4月1日からは、ファミリーシップの届け出をした場合に利用できるサービス(税に関する証明書の交付、市営墓地の使用・承継、救急搬送証明書の交付など)がアップデートされています(詳しくは「徳島市パートナーシップ宣誓制度」のページをご覧ください)
同性パートナーシップ証明制度によって自治体で可能になることといえば、市営住宅への入居、病院での家族としての扱い(病状の説明を聞ける)といった感じでしたが、徳島市は、市としてできることをきめ細かに検討し、具体的に利用可能なサービスの一覧として示してくれているところが良心的です。LGBTQ市民に寄り添う姿勢を感じさせます。
参考記事:
同性婚「賛成」8人、「反対」1人 知事・県内24市町村長アンケート(徳島新聞)
https://www.topics.or.jp/articles/-/501129
北島町が「同性カップル」公認 パートナーシップ宣誓制度導入(徳島新聞)
https://www.topics.or.jp/articles/-/509430
徳島市もファミリーシップ制度を導入。多様な家族を応援します(ハフポスト日本版)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/tokushima-city-familyship_jp_601903c1c5b63b0fb283f474