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AppleがLGBTQセンターの設立に1億円超と「iPad」などを寄付

 Appleが米ユタ州でLGBTQセンターを設立・運営している非営利団体「Encircle」に、1億円超と「iPad」などを寄付することを発表しました。
 
 
 「Encircle」はモルモン教徒が多い(理解されなかったり、家を追い出されたりするLGBTQが多い)ユタ州でLGBTQの若者やその家族のためのコミュニティセンターを運営する非営利団体で、家をリフォームして活動の拠点とし、アートスタジオや音楽スタジオ、コミュニティ講座、セラピーセッションなども提供しています。今回、ユタ州に隣接するネバダ州やアリゾナ州、アイダホ州にも新たにLGBTQセンターを開設したいとして寄付を募り、Appleが1億円超と「iPad」などを寄付することを発表しました。
 2月25日(現地時間)に朝の情報番組『グッドモーニング・アメリカ』に出演したティム・クックCEOは、「私は子どもたちからメモを受け取ってきました。自殺を考えたことのある子たちや、いじめに遭ってきた子たちからのメモです。私は人生の一部をシェアして、ダンやライアンと共に参加することで、この状況を次の段階に引き上げたい」「すべてのLGBTQが、コミュニティや自分自身に対してありのままの自分をオープンにできるくらい、安全で支えられていると感じるべきだ。Encircleは、人々の間の隔たりを埋めて団結させる手助けをし、人がなろうと望みうる最高のものは本当の自分だという力強いメッセージを送ってくれている」と語りました。
 
 同様に「Encircle」への寄付を表明し、この『グッドモーニング・アメリカ』にも出演した人に、イマジン・ドラゴンズのダン・レイノルズと、NBAユタ・ジャズのオーナー、ライアン・スミスもいました。
 
 米オルタナ系ロックバンド、イマジン・ドラゴンズのフロントマン、ダン・レイノルズはモルモン教徒で、非常に厳しくLGBTQを弾圧してきたモルモン教とLGBTQコミュニティの隔たりを埋めようと行動しはじめ、2017年から「Loveloud Festival」というLGBTチャリティのフェスを開催してきました。2019年に開催されたビルボード・ミュージック・アワード(BBMAs)ではコンバージョン・セラピーの廃止を訴えるなど、LGBTQコミュニティを熱心にサポートするアライです。
 そんなダンが今度は、ネバダ州ラスベガスにある子供時代を過ごした自宅を「Encircle」のLGBTQセンターのために寄付しました。
「Encircleは、コミュニティを団結させ、私たちの結束力を強めることで、LGBTQ+の若者たちと彼らの家族をひとつにすることを目指しています」と、ダンは妻のアジャ・ボルクマンとの共同声明で述べています。
「こうした組織に参加することは私たち二人にとって大きな意味を持っており、ダンが育った家が、そこを訪れるすべてのLGBTQ+の若者たちにとっての愛やサポートに満ちたホームとなってくれることを確信しています」
「母親や父親の厚意もあって、僕は家を買い取り、それがラスベガスにおける最初のEncircleハウスとなります。とても大きなことです」
 
 
 
 なお、Appleのティム・クック2014年、「ゲイであることを誇りに思う」と述べてカミングアウトを果たし(「フォーチュン500」企業の経営トップでカミングアウトした史上初の人物となり)、同性婚運動の支援やトランスジェンダー擁護などに積極的に携わり、2019年には米国の学校でLGBTQ教育を進めるGLSENから「チャンピオン賞」を贈られたほか、フォーチュン誌が選ぶ「世界のもっとも優れたリーダー50人」の1位にも選ばれています。昨年のコロナ禍においても医療従事者や失業者を支援するなどしています。また、死後、自身の全財産をチャリティにすることも表明しています。

 
参考記事:
アップル、LGBTQ+の支援に1億円超と「iPad」などを寄付(CNET Japan)
https://japan.cnet.com/article/35167014/
イマジン・ドラゴンズのダン、実家をLGBTQ+の若者のために寄付(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17435273


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