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　大丸松坂屋百貨店やパルコなどを運営するJ.フロントリテイリンググループは、トランスジェンダーの従業員の性別移行を支援するため、ホルモン治療や性別適合手術を受ける際の休暇制度を今月から始めたことを発表しました。


　性別適合手術を受けるためには1～2カ月の休暇が必要となりますが、必要な日数について、毎年付与している有給休暇以外に直近の2年間で「有効期限を過ぎて失効してしまった有給休暇」もこの休暇に使えるようにします。また、ホルモン治療や診察のために定期的に休んだりもできるということです。
　
　併せて、「同性パートナーシップ規則」を新設し、現行の規則で「婚姻」や「配偶者」に適用される福利厚生サービスを同性パートナーにも適用します。会社指定の手続きを行なうことにより、結婚休暇やパートナーの親族が亡くなったときの忌引きなどが認められるようになります。

　J.フロントリテイリンググループは、グループヴィジョンの達成に向けてダイバーシティの推進を重要課題の一つとして定めており、従業員の基本的な行動指針を定めた行動原則において、性的指向や性自認に基づく差別とハラスメントの禁止を明文化しています。また、経営層や各事業会社の人事部門責任者に対して外部講師による研修を実施しており、今後、より多くの従業員を対象としたeラーニング研修や社内啓発活動を予定しているそうです。
　今回の就業諸規則の改定によって「多様な人材が活躍できる環境を整えたい」としています。


　なお、性別移行支援として性別適合手術などのために最大60日の有休を取れるようにするという画期的な施策を国内大手企業で初めて導入したのはキリンホールディングスで、2017年のことでした。


　
参考記事：
Ｊ．フロント　性別移行支援休暇を新設（日テレ）
https://www.news24.jp/articles/2021/03/22/06843948.html
ＬＧＢＴ、休暇で支援　手術などで新制度―Ｊ・フロント（時事通信）
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021032200848
Jフロント、性別移行支援休暇を新設（日経新聞）
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ228FC0S1A320C2000000/
J.フロント リテイリング、性別移行支援休暇を新設　同性パートナーシップ規則も制定（Fashionsnap）
https://www.fashionsnap.com/article/2021-03-22/jfrontretailing-diversity/