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最高裁が、同性カップルも婚姻に準じた関係であり、法的保護の対象になると認めました
最高裁が、同性カップルも婚姻に準じた関係であり法的保護の対象になると認めました。
2019年9月、同性のパートナーとアメリカで結婚し、日本で長期間一緒に暮らし、子育てのための新居の購入までしていた30代女性が、パートナーの不貞行為をきっかけに結婚の解消を余儀なくされ、精神的苦痛を受けたとして、元パートナーとその結婚相手に対して約640万円の損害賠償を求めていた訴訟で、宇都宮地裁が二人は事実婚(内縁)に準ずる関係だったと認定し、元パートナーの被告女性に慰謝料など110万円を支払うよう命じる判決を言い渡しました。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とする憲法24条について「同性婚を否定する趣旨とまでは解されない」とも言及し、事実婚の男女と同等に同性カップルも法的保護の対象になるという判断を示した画期的な判決でした(詳細はこちら)
2020年3月の二審東京高裁判決でも、「元カップルは民法上の不法行為に関し、互いに婚姻に準ずる関係から生じる法律上保護される利益を有する」として、同性でも事実婚(内縁)と同視できる関係だったとして、法的保護の対象と認め、一審同様に賠償を認めました(詳細はこちら)
そして今回、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は17日付で、元パートナー側の上告を退ける判決を下し、元パートナーに110万円の損害賠償を命じました。二審判決が確定した形です。4人の裁判官全員一致の結論で、詳しい理由は示されていないということです。
同性カップルが婚姻関係に準ずる関係にあったと認め、損害賠償を命じた判断が最高裁で確定するのは初めてと見られます。
最高裁が、同性カップルも事実婚の男女と同等に法的保護の対象になると認めたわけですから、今後、同性カップルも事実婚と同様の権利が認められるような法整備が進められる必要があります(不貞を罰する時だけ事実婚扱いで、婚姻に準じる権利は一切認めないなどということは矛盾であり、筋が通らないことですよね)
17日の札幌地裁での「同性婚を認めないのは違憲である」との判断に続き、別の面から同性婚を後押しするような、非常に意義深い司法判断でした。日本社会が同性カップルの権利保障へと大きく動いていくターニングポイントにおける重要な「テコ」となるような判決だったと、後世に評価されるのではないでしょうか。
参考記事:
同性パートナーの不貞、賠償確定 二審は「婚姻に準ずる関係」―最高裁(時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031900783
「同性婚」も不貞に慰謝料確定 最高裁、法的保護認める(共同通信)
https://this.kiji.is/745524583130120192?c=39546741839462401