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埼玉県入間市の市議選で「世界初のトランス男性議員」細田智也さんが2位で再選されました
3月14日に投開票された埼玉県入間市議会議員選挙で、4年前、日本で2人目のトランスジェンダーの議員、世界初のトランスジェンダー男性の議員となった細田智也さんが、めでたく2位で再選を果たしました。おめでとうございます!!
細田智也さんは帝京大学在学中の20歳の時に性同一性障害と診断を受け、母親にカミングアウトし、23歳となった2015年4月に性別適合手術を受け、同年6月に晴れて戸籍を女性から男性に変更しました。そして2017年3月の入間市議選に立候補し、障害者や高齢者らを含めた多様な声を市政に届けると呼びかけながら、セクシュアルマイノリティが悩みを一人で抱え込まず、相談できるような制度を構築することを訴え、定数22のうちの21位で初当選を果たしました。上川あや世田谷区議に次ぐ、日本で2人目のトランスジェンダーの議員(トランス男性としては初)、そして、世界でも初めてのトランス男性の議員になりました(詳細はこちら)
細田さんは1期目、公約通り、性的マイノリティのための相談窓口の開設ならびに標準設置を実現するとともに、性的マイノリティについて市民に理解を深めていただく取組みを強化するなどしてきました。
今回の市議選では、「違いを認め合い互いを尊重できる入間へ!」とのスローガンを掲げ、条例での同性パートナーシップ証明制度導入を目指すとも訴え(入間市ではまだ同制度の導入が実現していません)、選挙ポスターにレインボーカラーのハートと「女性から男性へのトランスジェンダー議員」という文言を入れて、世界初のトランス男性議員として選挙活動を行なっていました。
その結果、前回は下から2番目だったのに、今回は上から2番目という上位当選を果たすことができました(順位と得票数はこちら)。細田議員の社会的マイノリティ(不当に周縁化され、肩身の狭い思いをしている人々)に寄り添う市政への取組みが評価され、この人は市議会に必要な人だと思ってくださる方が本当に多くなったということを物語っています。
当選の報を受けて細田議員は、自身のTwitterでこのようなコメントを語っています。
「1期目、皆様に支えていただいて、活動させていただきました。2期目のスタートラインに着くことができました。2期目も私は性的少数者と当事者として、声を上げられない方の心の声に寄り添い、小さな声を市政へと届けてまいります。全市民の小さな困りごとにもしっかり寄り添い、これからも頑張ってまいります」
とても実直な姿、真摯な姿勢が伝わってきます。
2019年の選挙では、トランスジェンダーの赤坂マリアさんが亀岡市議にトップ当選を果たし、トランスジェンダーの上川あやさんが2位で世田谷区議に当選、トランスジェンダーのよだかれんさんが4位(無所属新人の中ではトップ)で新宿区議に当選、レズビアンの加藤麻衣さんが2位で盛岡市議に当選、など、LGBTQの候補がたくさん上位当選を果たし、躍進が見られました。世間のみなさんにとって、性的マイノリティであることはもはやマイナス要素ではなく、社会的マイノリティに寄り添い、その声を議会に届けてくれる人物としてむしろ好意的に受け止められている感があります。
先日の米大統領選とともに行なわれた地方議会選挙では、史上最多となる334人のLGBTQが当選を果たしましたが、日本でもこうしたLGBTQの議員が活躍していますし、これからももっとたくさんの方が議員としてやっていける、そういうのびしろがあるのではないでしょうか。