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欧州議会が、EU全域が「LGBTIQフリーダムゾーン」であると宣言する決議案を採択しました
欧州議会が3月11日、EU全域が「LGBTIQフリーダムゾーン(LGBTIQ自由領域)」であると宣言する決議案を採択しました(賛成492、反対141)。駐日欧州連合代表部が12日、「個人が性的指向に関係なく、自分らしく生きることは誰もが同等に有する権利であり、EUはそれを尊重し保護していくとした」とツイートしました。
EUの一部の加盟国で性的少数者の権利が後退しているとの懸念の中、欧州議会は11日、EU全域が「#LGBTIQ自由領域」であることを宣言する決議を採択した。個人が性的指向に関係なく、自分らしく生きることは誰もが同等に有する権利であり、EUはそれを尊重し保護していくとした#LGBTIQFreedomZone pic.twitter.com/MCyt5hnCoj
— 駐日欧州連合代表部(@EUinJapan) March 12, 2021
PinkNewsによると、「LGBTIQフリーダムゾーン」宣言は、国土の1/3が「LGBTフリーゾーン(LGBTを排除する地域)」であるポーランドをマークする意図で発せられました。
ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領はLGBTQを「イデオロギー」「外国からの良くない影響」「伝統的価値観を脅かす」と攻撃し、憎悪を煽り、国中に「LGBTフリーゾーン(排除区域)」が広がる元凶となってきました。
EUはポーランドのホモフォビック、トランスフォビックな姿勢への批判を強め、2019年12月に欧州議会で公にLGBTQを差別することやヘイトスピーチを禁じる決議を採択しました。2020年7月には「LGBTフリーゾーン」に該当するポーランドの自治体の補助金申請を却下しています。そして昨年11月には、欧州のLGBTQが直面する不平等を改善し、安全な暮らしを保障するため、同性婚ファミリーの権利(親権)の保障など、これまでになく先進的な指針(5カ年戦略)を打ち出しました。
今回の「LGBTIQフリーダムゾーン」宣言は、政府の最高レベルでのLGBTQへのサポートを求めるもので、ポーランドの「LGBTフリーゾーン」にどの程度の効果をもたらすかは明らかではありませんが、EU内でホモフォビックな姿勢を見せるポーランドとハンガリーを牽制し、周囲からの孤立化を促すことにつながるだろうと見られています。
「この決議は、すべてのLGBTQの個人、活動家、組織にとって、欧州議会は味方であり、その権利を擁護するスタンスであることを示すものだ」と、今回のアクションを起こしたEUのLGBTQグループは声明で述べました。
「政治家、政府、意思決定機関に、いかなるやり方や形であってもLGBTQ差別は欧州の価値観には合わないということを平等に示すものだ」
インクルーシブ・アクションを達成するために、EUのLGBTQグループはソーシャルメディアにレインボーフラッグや有名なモニュメントなどを投稿するよう呼びかけました。TwitterやInstagramで#LGBTIQFreedomZoneのハッシュタグで検索すると、「LGBTIQフリーダムゾーン」宣言を祝するゲイカップルやレズビアンカップルの写真、レインボーフラッグを掲げる人たちの写真など、たくさんの投稿が見られます。
参考記事:
European Union to be declared LGBT+ ‘freedom zone’ in response to terrifying rollback of queer rights in Poland(Pink News)
https://www.pinknews.co.uk/2021/03/02/european-union-eu-lgbt-freedom-zone-poland/