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プライドハウス東京コンソーシアムが組織委に公開質問状を提出、森会長の女性差別発言をめぐって

 東京五輪組織委員会の森喜朗会長による女性差別発言をめぐり、プライドハウス東京コンソーシアムが2月8日、「五輪憲章に反する不適切な行動」として組織委に今後の具体的な対応を示すよう公開質問状を提出しました。

 プライドハウスとは、2010年バンクーバー冬季五輪で初めて創設されたLGBTQのアスリートやファン、その家族や友人のための交流拠点で、以降も五輪やサッカーW杯など世界的なスポーツイベントに合わせて設置されてきました(ソチ五輪を除く)。地元のNPO団体などが運営し、SOGIにかかわらず誰もが安心して過ごせる環境を提供してきました。欧米の首脳がロシアのアンチ同性愛法への抗議として開会式をボイコットしたソチ五輪の後、五輪憲章に性的指向による差別の禁止が謳われ、プライドハウス東京コンソーシアムは組織委から公認事業の認証を受けて、大会ビジョン「多様性と調和」が包含するLGBTQ差別禁止の理念を実現すべく、目覚ましい活躍をしてきました。2019年5月17日(国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日)には国連合同エイズ計画(UNAIDS)とLGBTの人権とセクシュアルヘルスに関する普及啓発において協力関係を構築するための覚書を締結、同年9月には原宿に「プライドハウス東京2019」をオープンし、海外のLGBTQコミュニティやHIVコミュニティの重要人物を招いてシンポジウムを開催したり、ゲイラグビーの国際親善試合を支援したり、ユーミンやMISIAが出演する夢のコンサートを実現したり、昨年のコロナ禍においてもコミュニティ支援の取組みを行いつつ、10月には初の常設LGBTQコミュニティセンターとして「プライドハウス東京レガシー」を開設しています。

 今回、公式サイト上に公開された質問状では、「森氏の発言および会議参加者の対応は、性差別がスポーツ界においていまだ根強く残ることを示唆するもの」「五輪憲章「オリンピズムの根本原則6」に反する不適切な行動である」と指摘し、「非常に残念なこと」と受け止めたうえで、公認プログラムを含む今後の関連企画で、性差別的な発言や行動が起こらないための方針・具体的な対応を計画として提示するよう求めています(全文はこちら
 プライドハウス東京コンソーシアム代表の松中権さんは、「同様の趣旨の発言がまた繰り返される恐れはある。再発防止の考えを求めた」「発言そのものへの批判が出るのは当然だが、大切なことは再発を防ぐこと。このような趣旨の発言が繰り返される可能性のある土壌や会議体を変えていかないといけない。ジェンダー問題は日本社会がはらんでいる問題なので、改善に向けて、協力できることがあれば力を尽くしたい」と語りました。

 組織委公認団体である同団体が、LGBTQのことだけでなく女性差別にも明確に反対する声を上げたことは、組織運営の健全化(自浄作用)の意味でも、社会的・国際的なメッセージとしても、非常に重要な意義を持つと言えるでしょう。

 

参考記事:
森氏の女性蔑視発言 性的少数者への理解訴える団体が組織委に公開質問状(毎日)
https://mainichi.jp/articles/20210208/k00/00m/050/134000c
「再発防止の考えは」、支援団体が組織委に公開質問(オルタナ)
https://www.alterna.co.jp/35155/

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