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衆議院法制局が同性婚の法制度化について「憲法上の要請であるとの考えは十分に成り立ち得る」との見解を示しました
2月25日午後に衆議院で行なわれた予算委員会第三分科会で尾辻かな子議員が同性婚について議論したところ、同性婚を可能とする民法改正案について、衆議院法制局※から「同性婚の法制度化は憲法上の要請であるとする考えは十分に成り立ち得る」との踏み込んだ見解が示されました。
※衆議院法制局は、衆議院議員の立法活動を補佐するため、衆議院議長の下に置かれた機関です。衆議院議員などからの依頼を受け、議員立法の立案や照会への対応を行なっています。
尾辻かな子議員は、17日の衆院予算委員会集中審議において、自身が当事者だと述べながら同性婚について菅首相に質問しましたが、25日午後の予算委員会第三分科会でも、佐藤郁夫さんの話もしながら同性婚について法務省、内閣法制局、衆議院法制局等と議論しました。上川法務大臣にも質問し、「思いにしっかりと寄せていくことが大事だと改めて思う次第」との言葉を引き出していますが、その後はいつもの政府の答弁でした。しかし、衆議院法制局からは、「日本国憲法は同性婚法制化を禁止していない、すなわち認めているとの「許容説」が十分に成り立ちうる」だけでなく、「憲法13条や14条等の憲法条項を根拠として、同性婚の法制度化は憲法上の要請であるとの考えも十分に成り立ちうる」との見解が示されました。(この議論の模様は、衆議院インターネット審議中継でもご覧いただけます。4:01:15頃〜)
尾辻議員は自身のTwitterで、「私たちが提出した同性婚を可能とする民法改正案を立案・審査した衆議院法制局の答弁がとれました。同性婚の法制度化は憲法上の要請であるとする考えは十分に成り立ち得ると踏み込んでいます」と報告しています。
衆議院議員の立法活動を補佐する「法案条文化の職人」から、憲法は同性婚を禁止していない、むしろ憲法13条(「生命、自由、および幸福追求に対する国民の権利」を保障)、14条(法の下の平等)に基づいて同性婚を法制度化することが求められていると考えることができる、との見解が示されたのはおそらく初めてで、画期的なことと言えます。今後の国会での議論や、政府の見解にも少なからず影響を与えるのではないでしょうか。
国会では永遠に同性婚の議論が進まないのでは…とあきらめかけていた方にとっても朗報となり、希望が持てるような報せとなりました。天国の佐藤郁夫さんが「よし!一歩前進」とうなずいている姿が目に見えるようです。