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『AERA』2021年2月22日号にレスリー・キーさん&ジョシュア・オッグさんへのインタビューが掲載されています
『AERA』2021年2月22日号に、昨年11月22日に豪華ウエディング・パーティを開催したレスリーさん&ジョシュアさんのインタビュー記事が掲載されました。
レスリー・キーさんと婚約者のジョシュア・オッグさんは昨年9月、渋谷区で50組目のカップルとして同性パートナーシップ証明を受けました。
そして11月22日の「いいふうふの日」、レスリー・キーさんとパートナーのジョシュア・オグさんはウェディングパーティを行ないました。レスリーさんが大ファンだという松任谷由実さんと交流の深い音楽プロデューサーの武部聡志さんが音楽監督を務め、パーティーを音楽フェスに見立てて、オンライン配信を実施。杏里さん、大黒摩季さん、平原綾香さんら錚々たるアーティストがそろい、入場の際には、なんと小室哲哉さんが「CAN YOU CELEBRATE?」を演奏したそうです。スーパーモデルの冨永愛さん、映画監督の河瀬直美さんらのスピーチも行なわれました。
パーティが始まり、舞台に上がった瞬間、レスリーさんの両目からは涙があふれ出て、止まらなくなったといいます。
「世界がコロナで変わって9ヵ月、みんなも、私も、生きてきた。生きてきて良かったと思った。『みんな、ここまでよく頑張った!』。そう思ったら、号泣しちゃったんだ」
17歳年下の、米国オハイオ州生まれの英語教師兼モデルのジョシュア・オッグさんとの出会いは、2017年12月、広島での「OUT IN JAPAN」撮影会プロジェクトの時でした。ジョシュアはさん当時、米国の大学のインターンとして岡山の大学に留学中で、ネットで撮影会を知り、会場を訪れました。その彼にレスリーさんが一目ぼれしたんだそう。
「僕が撮影した、みんなのポートレート写真に囲まれるなかで、化学反応がパーッと起きたみたいだった」
その後、ジョシュアさんは米国に帰国し、大学を卒業。遠距離交際を経てレスリーさんが渡米し、ジョシュアさんの実家でプロポーズしました。
なぜ、シンガポール出身のレスリーさんと米国出身のジョシュアさんが東京の渋谷を選んだのか?について、レスリーさんはこう語ります。
「渋谷は僕が多くの人と出会い、インスピレーションを受けてきた街。僕たちだけじゃなく、みんながイコールに人権を持っていて、一人ひとり認め合える社会をどうつくっていくか、考えるきっかけになればと思った」
ジョシュアさんは、「現状では最善の方法だと思います。ただ、婚姻届とは異なります。(日本は)ちょっと(変革が)遅いという印象も抱いています」と語ります。
日本は、主要7ヵ国では唯一、法的な同性カップルの権利保障が何もなく、選択的夫婦別姓制度と同様、同性婚(結婚の平等)も認められていません。記事ではまた、トランスジェンダーに対して国内のネット上で熾烈な誹謗中傷の嵐が吹き荒れる現状にも言及しています(トランス女性をまるで性犯罪者であるかのように扱い、排除しようとする声のことです)。「LGBTQへの理解が進んでいるという一般の認識とは裏腹に、むしろここ数年、国内では強くなっている印象がある」
レスリーさんはこうした誹謗中傷に対して、「ナンセンス」と嘆きます。「そういう人たちは、自分で自分を苦しめることになってしまうんじゃないかな。今は、多様性を受け容れるのが当たり前の時代でしょ!」
同性パートナーシップ証明制度が始まって5年が経ち、今や全国60超の自治体に広がっています。レスリーさんが「なぜ、まだ証明書ができない街があるの?」と言うと、ジョシュアさんは「言葉だけじゃなく行動に移せば、日本はもっと早く変えられると思います。一歩ずつ。人として愛する気持ちを皆、平等にね」と語りました。
コロナ禍のおかげで、二人で過ごす時間が飛躍的に増え、レスリーさんは生まれて初めて自炊ができるようになり、また、10年後、15年後の二人の未来を語り合う機会も増えたといいます。
17歳差に価値観のズレを感じることはないのか、という質問に対して、レスリーさんは「僕が過ごしてきた時代のなかでキュンと来た人や音楽、映画と、彼のそれとは違う。だから必ず、二人でシェアしていこうと思っているんだ」と語ります。
レスリーさんは来日のきっかけになったほど大好きなユーミンを、ジョシュアさんは新しいゲイアイコン的存在のLizzoのことを、お互いに教え合っているそうです。
そしてレスリーさんが今、深い関心を寄せているのは、ルース・ベイダー・ギンズバーグだそう。「人間の平等を本気で追求してきた人だとジョシュアから教わった。僕、この人を知らなかった。新しいインスピレーションを受けて、新たな『メンター』を見つけたんだ」とレスリーさんは語ります。13歳の頃に出会ったユーミン、40歳で出会った河瀬直美さんに続き、3人目のメンターが彼女だといいます。「人権のこと、婚姻の平等について真剣に考えるようになった。彼女はパワフル。これから本気で、どうやって現状を変えることができるのか、勉強したい」
続きはぜひ、『AERA』2021年2月22日号で読んでみてください。
『AERA』誌は2015年にLGBTの小特集を組み、2017年にはLGBTをメインの特集としています。今回、レスリーさんにインタビューしたライターの方は、2017年の大特集でカミングアウトした方です(2002年、初代新宿二丁目振興会会長であり、レインボー祭りを立ち上げた川口昭美さんが亡くなった時、朝日新聞で記事にしてくださった方でもあります)。お二人のパートナーシップのことや、LGBTQの権利の平等について、同じ目線でお話できているからこその、信頼性の高い、コミュニティにとって意義深い記事になっていると思います。
参考記事:
レスリー・キーが語るダイバーシティーと未来への思い LGBTQへの誹謗中傷は「ナンセンス」(AERA)
https://dot.asahi.com/aera/2021021700021.html