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足立区がファミリーシップ制度導入へ、全国で2例目 

 昨年、白石区議の「足立区が滅ぶ」発言で大騒動となった東京都足立区が、同性パートナーシップ証明制度だけでなく、同性カップルが育てている子どもとの関係も家族として証明する「ファミリーシップ制度」も導入する方向で進めていることがわかりました。「ファミリーシップ制度」は1月8日に兵庫県明石市が初めて導入しましたが、足立区で実現すれば全国で2例目となります。

 
 足立区は、白石区議による同性愛者差別発言をきっかけに当事者らと意見交換を重ね、昨年11月、2021年度から同性パートナーシップ証明制度を導入するとの方針を表明しました。1月18日に行なわれた区議会総務委員会では、区が示した案にファミリーシップ制度についても盛り込まれていました。戸籍性が同一であるか、または自認性が同一であるカップルを対象とし、希望すれば双方または一方と同居する未成年の子の名前をパートナーシップ宣誓書、宣誓受領書(証明書)や証明カードにも明記できるそうです。

 区によると、現在の案では要綱などに「ファミリーシップ」という名称は記載しないものの、子との関係も含む点では明石市の制度とほぼ同様の内容だといいます。区は「関係団体から、保育園の送迎などで関係性を示せないと困るなどの意見があった」と説明。ただ、委員会で区議から「要綱などにも『ファミリーシップ』の名称を明記してほしい」との意見も出たそうです。

 区は2月上旬にも要綱を正式に決定し、来年度の早い段階からの施行を目指します。要綱制定後は、医療機関や不動産業者らを中心に制度内容の説明を行い、理解促進に努めます。

 もともと区との意見交換会でファミリーシップ制度の導入を提案したのは、足立出身で、子どもを望み、育てる性的マイノリティを支援する一般社団法人「こどまっぷ」共同代表の長村さと子さんです。昨年11月10日、足立区の近藤区長にお会いし、パートナーシップ/ファミリーシップ制度の制定、およびLGBTQに配慮した区事業の見直し、推進の要望書を提出しています(詳細はこちら)。長村さんは、ファミリーシップ制度導入の知らせを聞いて、「区が必要性を理解し、前向きに考えてくれてよかった。子を持つ性的少数者の存在はまだあまり知られていない。親子の存在を認め、応援するという意味でもファミリーシップという言葉を前面に出してほしい」と語りました。 


 昨年9月末に足立区議会で白石区議が「LGBTばかりになると足立区が滅びる」と発言したことで、全国的な大騒動になりましたが、その時から数えてわずか4ヵ月足らずで、足立区がここまで前進するとは…おそらく誰も予想していなかったことでしょう。当事者の声に耳を傾ける近藤区長の真摯な姿勢と、地道に区側と話を進めてきた方たちの尽力の賜物だと言えます。
 
 今後、ファミリーシップ制度は全国の自治体で続々と導入されていくだろうと予想されます。
 これをきっかけに、戸籍上同性であるカップルとその子どもたちが法的にも社会的にも家族と認められるようになることを期待します。 



参考記事:
性的少数者カップルの子も家族に 区議が差別発言の足立(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASP1L71VDP1LUTIL01N.html

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