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沖縄県の普天満山神宮寺がレインボーフラッグを掲げてLGBTQ支援宣言、仏前結婚式も検討

 沖縄県宜野湾市普天間にある普天満山神宮寺(東寺真言宗)が8月16日からレインボーフラッグを入り口に掲げ、LGBTフレンドリー寺院であると表明しました。今後、仏前の同性結婚式も検討しているそうです。
 

 普天満山神宮寺住職の金城良啓さんは「仏教はLGBTの存在や権利を認めている」と語ります。仏は男性と女性の両性を備え持っており、また「観音」は「音を観る」で、「心の悩みや願いを聞き入れる」という意味なのだそう。金城さんは、性的マイノリティが仏の姿を自分と重ね合わせ、「安心してお参りし、心を軽くする場所になれば」と願っているそうです。
 宜野湾市といえば、今年7月、性の多様性を尊重する条例案を「性的指向」や「多様性」などの文言を理由に主要与党会派が反対し、否決されるという出来事がありましたが(その後、条例案を作り直すことになったそうです)、まだまだ性的マイノリティへの偏見や差別が根強いことも承知のうえで、金城さんは「賛成も反対も両方飲み込んでやろう」と決意したそうです。
 金城さんは僧侶の家系に生まれ育ち、大学の卒業旅行でシドニーを訪れ、世界一華やかと言われるマルディグラのパレードに遭遇し、参加者の姿に感銘を受け「LGBTの方たちに関わることをやりたい」との思いを抱えてきたそうです。2014年に123代目住職となり、昨年、他業種の有志との勉強会でLGBTへの思いを語ると、好い反応を得られたため、取組みへの決意につながったといいます。LGBTフレンドリーな那覇市のホテル(おそらくホテルパームロイヤルNAHAでは?)も参考にしたそうです。
 今後、仏前で同性結婚式を開き、性的マイノリティを祝福することを検討中で、来年4月に利用開始予定の納骨堂では、同性カップルへのお墓の提供も予定しています。新型コロナウイルスの感染拡大で結婚式の実現がいつになるか、見通しがなかなか立ちませんが、金城さんは「思っているだけでは思いは伝わらない。まずは旗から」と語ります。性の多様性が尊重される社会に少しでも近づけるよう、最初の一歩を踏み出したそうです。
こうした取組みは県内約20の寺院でつくる県仏教会の中でも初とみられ、当事者の方たちにも好評だそうです。

 多様な性が尊重される社会を目指すレインボーアライアンス沖縄の砂川秀樹さんは「LGBTフレンドリーであることを示すことは、とても大きな力になる」と語っています。

 
 お寺といえば昨年、性的マイノリティのためのお寺が建立されましたというニュースをお伝えしていましたが、最近、その性善寺のトランスジェンダーの尼僧、柴谷宗叔さんへのインタビュー記事が掲載されていました。毎月最終日曜日の縁日には多様なセクシュアリティ、ジェンダーの方が集まるそうです。子どもがいない人向けの永代供養、同性カップルの仏前結婚式も受け付けているそうです。

 
 

参考記事:
「仏教はLGBT認めている」 普天満山神宮寺が仏前結婚式も検討(琉球新報)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1176745.html

性的少数者でも誰でもおいで 夢をかなえた尼僧のお寺(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASN913SWVN8WPTFC002.html


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