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名古屋市で同性パートナーシップ証明制度導入、2021年度中に
名古屋市は9月17日、同性パートナーシップ証明制度を2021年度中に導入する方針を明らかにしました。
2018年6月に導入を検討すると河村市長が発表してから2年が経って、ようやく実現することになりました。
名古屋市では2018年6月に河村市長が同性パートナーシップ証明制度の導入を検討すると発表、7月には「性的少数者など性別にかかわる市民意識調査」を実施しました(結果はこちら)。ここまではスピーディでした(LGBTについて1万人規模の市民調査を実施したのは初めてで、意義あることでした)が、その後、遅々として進まなくなってしまいました。
2019年9月には、余語さやか市議(減税)が市議会で「本市では昨年度に性的少数者など性別に関わる市民意識調査を実施したが、いまだ制度の導入に至っていないことについて、市長の考えは」と質問し、市長が「1年経ってしまったが、しっかりやろうと総務局長に言って、パートナーシップ制度を早く進めるようにする」と回答(詳細はこちら)。しかし、特に動きはなかったようです…。
今年3月には、さいとう愛子議員(共産)が市議会で、同性パートナーシップ証明制度の導入について質問、総務局長の「引き続き、国の法制度の動向や他の自治体の状況、先進的に導入している自治体の実績などについて、調査研究を進めたい」との回答に、「1万人アンケートの結果、当事者の要望は「同性同士のパートナーやその家族も、法律上の夫婦や家族と同等に扱うこと」という回答が最も多く、「法律上認められたカップルと同等に扱ってほしい」と求めています」「これ以上何を調査するのですか」と、「2年半前も「調査研究を進める」と答えておられ、ずっと研究を進めてきて、現段階では、あとはもう決断するだけはないですか」と述べ、早期導入を求めました(詳細はこちら)
そして9月17日の午前中、市議会で久田邦博議員(民主)が同制度の導入について質問し(議事録はまだなく、詳細はわかりませんが、もう待ったなしですよ、と迫るものだったのではないでしょうか)、伊東恵美子副市長が「2021年度中に導入する」と答弁した、とのことです。
河村たかし市長は議会後の報道陣の取材に対し、多くの政令指定都市で既に同種制度が導入済みであることを念頭に「来年度と言わず、早くやらなくては」と強調、条例を制定するのか、市長判断による要綱で運用に踏み切るのか、早急に詰める考えを示したそうです。
共同通信のニュースでは「パートナーシップ宣誓制度」と書かれていましたが、市長が条例で制定する方向性も示唆しましたので、「宣誓」を行わない制度になる可能性があります(そういう意味でも「同性パートナーシップ証明制度」の呼び名が妥当ではないでしょうか)
ともあれ、日本で4番目の人口を擁する東海地方(中京圏)の中心都市で、ようやく同性パートナーシップ証明制度が実現することになりました。
名古屋のLGBTコミュニティは2001年からNLGR(1回目だけNGR。現在はNLGR+)という大規模な野外イベントを開催してきて、2012年からは虹色どまんなかパレード(現在は名古屋レインボープライド)も開催、素晴らしく結束力が強いコミュニティを誇ってきました。NLGRでは2002年から同性結婚式をイベントのフィナーレに据え、多くの参加者の涙を誘いました。LGBTコミュニティイベントとして初めてのことでしたが、社会に同性婚の実現を!と訴える意味合いよりも、ゲイカップルやレズビアンカップルの幸せを祝福したいというあたたかな気持ちで始まったものです(ちなみに式を執り行ったのはトランスジェンダーの牧師さんだったりしました)
これまで数々の感動をプレゼントしてくれた名古屋のコミュニティの方たちが、晴れて同性パートナーシップ証明を受けられるようになることを特別にお祝い申し上げたい気持ちです。本当におめでとうございます!
参考記事:
名古屋市もパートナー制度導入へ 21年度中に(共同通信)
https://this.kiji.is/679180855918429281