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東京都国立市が在勤・在学者も対象とした同性パートナーシップ証明制度の導入へ、全国初
2018年、東京都国立市は全国で初めてアウティングの禁止を盛り込んだ条例「国立市女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」を制定しましたが、このたび、この条例を改正し、来年4月から同性パートナーシップ証明制度を導入すること、また市内の在勤・在学者も対象とする方向で検討に入りました。市によると、在勤・在学者も対象とするのは全国の自治体で初めてです。
国立市の制度は、カップルが市に認められたパートナーどうしであることを証明するもので、法的拘束力はありませんが、不動産契約や病院でのパートナーの症状説明などに役立つことが期待されます。
対象は市民にとどまらず、カップルの一方が市内の在勤・在学者であれば、認める方向です。一方が市内の企業や団体に勤務している場合、結婚休暇や扶養手当といった福利厚生などの利用にも活用できます。
また、カップルの性別は限定せず、トランスジェンダーの方はもちろん、夫婦別姓を望む事実婚カップルなども利用できます。
8月7日~27日にパブリックコメントを募り、条例改正案の骨子を9月にまとめ、条例改正案を11月議会に提出し、来年4月からの施行を目指します。
制度導入に向けて市がつくった審議会のメンバー、太田美幸一橋大大学院教授(教育社会学)は、「できるだけ多くの人が利用できる制度には賛成だ」と評価し、同時に「行政の実務上で何らかの課題が生じる可能性もあるので、丁寧に確認しながら実現の可能性を探ることが肝要だ」と述べました。
同市のNPO法人「くにたち夢ファーム」の遠藤良子理事は、「自信を持って国立で学び、働けることに役に立つのではないか。国立に関わる人全ての安心感につながってほしい」と語りました。
なお、国立市のくにたち男女平等参画ステーションは昨年、東京レインボープライドにブース出展し、永見市長と(ゲイであることをオープンにしている)シゲせんせーとのトークなども開催しています(詳細はこちら)
それから、大阪府貝塚市が『広報かいづか』8月号で、今年9月1日から独自に貝塚市パートナーシップ宣誓制度を開始することを発表しました。
富田林市と同様、大阪府で先行して「大阪府パートナーシップ制度」が始まっていますので、府と市の制度の兼ね合いがどのようになるのかが気になるところですが、詳細はこれからのようです。
ともあれ、自治体による同性パートナーシップ証明制度は着実に広がりを見せ、おそらく誰も予想できなかったような多様な(まるで虹のようにカラフルな)展開を見せていると言えます。
参考記事:
国立市、性的少数者のカップル認証へ 全国初、在勤や在学者も対象(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/47463