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GLAADメディア賞で『POSE』が2年連続で最優秀ドラマ賞を受賞
7月30日(現地時間)に開催されたGLAADメディア賞で、昨年に続き『POSE』が最優秀ドラマ賞に輝きました。
GLAADメディア賞は、LGBTQに関する公正で的確でインクルーシブな表現に贈られる賞で、著名人も多数出演して盛大に開催されるアワードイベント。アメリカのLGBTQコミュニティを代表するアワードとして、世界的にも注目を集めるイベントです(日本でも毎年、何かしらの形で報道されています)。31回目を数える今年は、コロナ禍の影響で初のオンライン開催となりました。
ホストはコメディアンのFortune Feimster とGina Yashere。クロイ&ハリー(ドラァグクイーンのNaomi Smalls、Vanessa Vanjie Mateo、Mayhem Millerと一緒に出演)、シーア・ダイアモンド、ベン・プラット(『ディア・エヴァン・ハンセン』などに出演してきた「ブロードウェイの顔」とも称されるゲイの俳優・シンガーソングライター)がパフォーマンスを披露しました。ドウェイン&ガブリエル・ウェイド、チャーリーXCX、デミ・ロヴァート、ブライアン・マイケル・スミス、ペパーミントなどもプレゼンターなどで出演しました。
以下、主要な賞の受賞者をお伝えします。
音楽賞は、昨年ゲイであることをカムアウトし、全米シングル・チャート1位の歴代最長記録を更新したリル・ナズ・Xが受賞しました。
映画賞(拡大公開)は、青春コメディの傑作であり、ヒロインの一人がレズビアンという映画『ブックスマート』が、映画賞(限定公開)は、同性愛を描いているがゆえに本国で上映禁止となったケニアの作品『ラフィキ』が受賞しました。
そして、ドラマ賞は、2年続けて『POSE』が受賞しました。メインキャストのみなさんが揃って「POSEは私たちのコミュニティの先人や私たち自身への贈り物です」とコメントしました。先日発表されたエミー賞ノミネーションでは、作品賞も、ビリー・ポーター以外のトランスジェンダーのみなさんの女優賞もスルーされて、不満の声が上がっていましたが、LGBTQコミュニティはきちんとこの名作を評価し、讃えたのです(本当によかったです。おめでとうございます)
ドラマ賞(コメディ・シリーズ)は、主要なキャラクターの一人がゲイであり、シリーズ・ファイナルで最高に素敵なフィーチャーの仕方をしてくれた『シッツ・クリーク』が受賞しました。
その他、TV映画賞は『Transparent: Musicale Finale』に、ドラマ賞(限定公開)は『メリー・アン・シングルトンの物語』に、ドキュメンタリー賞は『State of Pride』に、リアリティ番組賞は、出演者全員がジェンダーフルイドという画期的な企画だった『アー・ユー・ザ・ワン?〜奇跡の出会いは100万ドル!』シーズン8に贈られました。また、『スペシャル 理想の人生』に審査員特別賞が贈られました。
「政治や文化の分断が進む時代に、LGBTQがメディアでどのようなイメージで扱われるかは、LGBTQコミュニティにとって需要を加速させる意味で極めて重要です、そしてアンチLGBTQのレトリックの危険な勃興に立ち向かう意味でも」とGLAADのサラ・ケイト・エリスCEOは述べました。
「今年はPOSEやシッツ・クリークのような受賞者は、LGBTQコミュニティ内の多様な声をメインストリームで可視化し、メディアにおけるLGBTQインクルージョンのハードルを高くするという重要な役割を果たしました」
また、プレゼンターとして登場したデミ・ロヴァートは、シーア・ダイアモンドの紹介に先立ち、「常軌を逸した差別や危険にさらされている有色人種のトランスジェンダーをはじめとしたLGBTQIA+コミュニティが迅速に受け入れられるようになってきていることを称えることほど、大切なことはありません。トランスジェンダーのユースの皆さんには、あなたたちが大切であると知ってほしいです。今はとてもクレイジーな状況にあるし、いつものサポートが周りにないかもしれない。でも、誰にも、特に私たちの政府なんかのせいで、あなたたちがパーフェクトでないなんて思わないで。ありのままの自分を誇りましょう。自分の意見を発して、強さを保って。そして、私たちがあなたたちのために戦っていることを忘れないで」という熱いスピーチを行いました。
参考記事:
Pose, Schitt's Creek, BooksmartTake GLAAD Media Awards(Advocate)
https://www.advocate.com/media/2020/7/30/pose-schitts-creek-booksmart-take-glaad-media-awards
デミ・ロヴァート、式典でトランスジェンダーの若者を応援 「今はとてもクレイジーな状況」(デイリー・スポーツ)
https://www.daily.co.jp/gossip/foreign_topics/2020/08/01/0013562748.shtml