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テイラー・スウィフトが米国勢調査の性別欄に「男/女」の選択肢しかないことを問題提起
6月26日にオンライン開催されたPride Live主催の「Stonewall Day」にテイラー・スウィフトが出演し、米国勢調査でトランスジェンダーやノンバイナリーの人々の存在が消されていることを批判しました。
テイラーはまず、「ストーンウォール・インはずっと抵抗のシンボルであり続けています。私は昨年、幸運にも友人のジェシー・タイラー・ファーガソンにサプライズ出演するよう招待され、ストーンウォール・インでパフォーマンスすることができました」と語り、昨年のストーンウォール50周年を振り返りました。
テイラーはさらに、6月15日に米連邦最高裁判所が性的指向・性自認に基づく解雇が公民権法に違反するとの判断を示したことに触れ、「最高裁の決定は大きな前進でした。しかし、LGBTQコミュニティに関してはまだまだやらなければならないことがたくさんあります。先日、国勢調査票を受け取りましたが、選択肢が「男性」「女性」の2つしかありませんでした。トランスジェンダーやノンバイナリーの人たちを無視する行為にはとても心を乱されました。特定のグループに属する人たちの情報を収集しないということは、この国は性的マイノリティの人たちを支援する意思がないと世界に発信してるも同然。一部の人たちの情報だけ収集しないなんて、侮辱以外のなにものでもありません」と述べました。
「今年こそ、私たちが投票という権利を使うべき年です。不在者投票の方法についても、各州のルールをチェックしておきましょう。全てのコミュニティに、きちんと配慮できる人々を選ばなければいけません」
そして「みんな本当に愛してる。残りわずかなプライド月間、素晴らしいものにしましょう!」と締めくくりました。
アメリカの国勢調査におけるLGBTQの扱いについては、これまで少しずつ進展がありました。
10年前の2010年の国勢調査の調査票は、人物1(世帯主)が同居する人物2の「世帯主との関係」について「夫/妻」または「未婚のパートナー」と回答し、かつ二人が同じ性別である場合、同性カップルと見なされるというものでした(しかし、この回答方法がわかりづらかったりして同性カップルの1/7をカウントしそこねているとの批判がありました)
今回の国勢調査では改善が見られ、「世帯主との関係」について「同性の夫/妻/配偶者」または「同性の未婚カップル」を選んで回答ができるようなりました。これにより、同性のカップルは今までに比べて簡単に、かつ、より正確に回答することができます。しかし、同居していない同性カップルやパートナーのいないLGBTQ、トランスジェンダーやノンバイナリー、バイセクシュアルで異性と結婚をしているような方には回答できる選択肢がありません。
ギャラップ社の調査(同居している同性カップルの61%が結婚している、LGBTQ全体で見ると同性婚カップルは10%)と照らし合わせると、国勢調査で同性カップル世帯がカウントされても、それはLGBTQ全体の1/6を把握したにすぎません。
ロイターやイプソス、ウィリアムズ・インスティチュートの調査では、ほとんどのアメリカ人が、LGBTQがヘルスケアやハウジングにおいて排除されることは間違っていると考えています。イプソスは、18歳〜35歳のアメリカ人の1/5が周囲にトランスジェンダーの人がいることを知っており、2/5がゲイの友人がいるとの回答を引き出しています。
LGBTQ NATIONは、「調査は、政治システムの源である。国勢調査は、政府が行使する権限として、政治課題を理解するに際しての舵取りの采配に強大な影響力を及ぼすものである。調査主体はできる限り正確を期すことを求められるが、国勢調査も人口動態の正確な把握を達成できるよう、真実の反映に務めるべきだ」と訴えています。
参考記事:
テイラー・スウィフト、米国勢調査でトランスジェンダーの人々の存在が消されていることを批判(Billboard JAPAN)
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/89491
テイラー・スウィフト、国勢調査の性別欄に「男」か「女」の選択肢しかないことに苦言(フロントロウ)
https://front-row.jp/_ct/17372833
テイラー・スウィフト、アメリカの国勢調査で性別の選択肢が2つしかないことを批判(NME)
https://nme-jp.com/news/90486/
The Census can’t keep LGBTQ people in the closet(LGBTQ NATION)
https://www.lgbtqnation.com/2020/07/census-cant-keep-lgbtq-people-closet/