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川越市の最明寺が仏前式の同性結婚式をはじめました
川越市で同性パートナーシップ証明制度が導入されたことを受けて、同市の揺光山最明寺が仏前式の同性結婚式を始めました。
川越市では5月1日、全国の自治体で48番目となる「パートナーシップ宣誓制度」を導入しました。これに合わせて、最明寺では、寺院で挙げる同性結婚式をスタートしました。仏教では「人生の全ては縁によって成り立っている」と考えられていますが、仏前結婚式は寺院で当人どうしが好き伴侶であることを誓う儀式であるとともに「出会えた縁を仏様に対して感謝する場」と捉えられているそうです。
結婚式といえば、教会か神社での神前式かというイメージでしょうが、実際、現在の仏教は、ほとんどが葬儀に特化していて、寺院で結婚式を挙げる方は全体の1%にも満たないそうです。本来の日本仏教の教えでは「寺院は生涯を通じて関わっていける場所」として活用することが求められている一方、仏教は(ほとんどの世界宗教が同性愛を罪だと見なすなか)その教義に「性別に捉われない」という多様性の尊重があり、同性愛に対しても比較的寛容であるため、最明寺は「性に関係なく心のあり方次第で誰しもが幸せになれることを説くのが仏教の教え」だとして、同性結婚式を挙げることにしたそうです。
副住職の千田明寛さんは「昨今、社会全体でLGBTQへの理解が進む中、日本の伝統寺院としても性的マイノリティの人々と共に新しい寺づくりを進めている。仏前結婚式では指輪の代わりに念珠を用いて儀式を進める。LGBTウエディングでは、北海道の念珠店とともに考案した『レインボー数珠』を用い、着用する袈裟(けさ)も虹色の輪袈裟を用意する」「多様性を受け入れる仏教国の日本だからこそ、当寺は、誰もがいつでも帰って来られる思い出の場所として、LGBTQを認めフレンドリーな寺院を目指している。プライバシーな情報はお守りするので、安心して相談を」と語っています。
お二人だけの結婚式から大人数まで対応可能だそう(詳しくはこちら)
なお、同性結婚式を挙げてくれるお寺としては、2014年に京都の春光院が初めて実現したのをはじめ、トランスジェンダーの尼僧が性的マイノリティのために建立した大阪府守口市の性善寺などもあります。2016年には東京の築地本願寺でゲイカップルが同性結婚式を挙げたこともニュースになりました。
全国各地でこのようなお寺が増えるといいですね。
参考記事:
川越最明寺で同性結婚式 性別に捉われないLGBTウエディング(川越経済新聞)
https://kawagoe.keizai.biz/headline/807/