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中国の大学生の約23%が「異性愛者ではない」と自認していることが明らかに
中国の大学生への大規模なアンケート調査で、自身が異性愛者だと明言した人が約77%にとどまり、約23%がセクシュアルマイノリティであると自認していることが明らかになりました。
この調査は、中国家族計画協会、中国青年ネットワーク、清華大学公衆衛生研究センターが共同で2019年11月〜2020年2月に実施したもので、中国全土の1764の大学の54580人の大学生にセクシュアリティについて聞いています(こちらが調査結果を公表したサイトです。中国語です)
その結果、自身が異性愛者だと回答した人は77.278%にとどまり、バイセクシュアルが8.92%、同性愛者が4.58%、パンセクシュアルが1.22%、アセクシュアルその他が0.94%、「わからない」が6.46%という結果になりました。「わからない」をクエスチョニング(性的指向が定まっていない、迷っている、揺れ動いているような人)だと捉えると、セクシュアルマイノリティは約23%にも上ることになります。
中国のLGBT団体は、若い世代のLGBTへの態度が変化してきていることを歓迎しています。
「性的な魅力は、性的指向のスペクトラム(連続体、グラデーション)を取り巻くたくさんの要素によって影響される。これは正常な現象だ」
「すべての個人の社会的ジェンダーと親しいパートナー/パートナーシップの選択は唯一無二のもので、すべての個人は、自分自身の人生の選択を行い、尊重される権利がある」
「誰もが多様性、平等、世界の受容を熱烈に求める必要がある」
LGBTへの態度は、中国の公的なレベルでも変化を見せています。
昨年末、中国人民代(国会)は、民法を改正することを公に発表しましたが、これに対して1ヶ月間に20万人近い人々がパブリックコメントを寄せ、19万人以上が同じ提案をしました。同性婚の法制化です。
この結果、中国政府はLGBTの活動家に、結婚の平等について以前より前向きであるとの期待を持たせました。かつては明確に同性婚に反対だったにも関わらず。
さらに、昨年12月、中国のニュースサイト「鳳凰網」が1000万人に世論調査を実施し、66%が同性婚に賛成という結果が発表されました。
また、中国では現在、前の同性パートナーとの間にもうけた子どもへの親権を求める裁判が起こされているそうですが、このケースが、同性婚の重要性や、世間のシンパシーを喚起しているといいます。
今回の大学生のセクシュアリティに関する最新の調査の結果は、6月12日から予定されている上海プライドフェスティバルに間に合うよう発表されたものだそうです。中国ではロックダウンが解除され、上海プライドフェスティバルは今のところ予定通り開催される見込みです。
なお、2015年にアメリカとイギリスでも同様の調査が行われています(詳細はこちら)
アメリカでは、全体の78%が異性愛者であると回答(このグループのうちの12.0%が同性との性交渉の経験があると認めています)、18〜29歳の若者に限ると、その割合は64%という結果になっています。
イギリスでは、全体の72%が異性愛者と回答、18〜24歳の若者では、なんと46%にまで下がっていました(同性愛者が6%、バイセクシュアルが43%で、約半数が性的マイノリティでした)
今回の中国での調査結果は、これらの数字にかなり近づいています。社会が寛容になればなるほど、自身が性的マイノリティであると認めることができ、そうだと申告できる人も多くなると考えられますが、そういう意味では、中国の大学はかなりLGBTフレンドリーな環境になっていると言えるでしょう。
最新記事:
Over 20% of Chinese university students say they are not straight(GAY STAR NEWS)
https://www.gaystarnews.com/article/over-20-of-chinese-university-students-say-they-are-not-straight/
National Survey Lays Bare the Sex Lives of Chinese Students(SIXTH TONE)
https://www.sixthtone.com/news/1005655/national-survey-lays-bare-the-sex-lives-of-chinese-students