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ゲイのデザイナー、クリスチャン・シリアーノが医療従事者のためにマスクを製作
新型コロナウイルス感染者が1万人を超え、大規模災害宣言が発令され、自宅待機が命じられ、医療用マスクなどの不足も深刻になっているニューヨーク州で、ゲイのデザイナー、クリスチャン・シリアーノが、医療従事者のためにマスクを製作しはじめました。
クリスチャン・シリアーノは、『プロジェクト・ランウェイ』第4シーズンで優勝したオープンリー・ゲイのデザイナーです。3月21日、彼はニューヨーク州の厳しい状況を見据えて、Twitter上で最前線で闘う医療従事者のためにマスクを製作する用意があるとアンドリュー・クオモ州知事に提案し(12.5万人のいいねがつきました)、5時間後にクオモ州知事が「医療従事者のためのマスクや手袋、ガウンの不足は喫緊の課題だ。州としてお願いしたい(買います)」と返信し、他にも手伝ってくれる人はいないかと呼びかけました。
その日のうちにクリスチャンはN95マスクのプロトタイプを製作し、完成に向かっている、必要な人たちに早く届けたい、とTwitterに投稿しました。
彼の呼びかけに応え、いろんな方たちも、手伝う用意があるとレスをしています。
米国では現在、約1300万枚のN95マスクのストックがありますが、連邦政府は今後の半年間で10億枚が必要になるとしています。
クリスチャン・シリアーノは米国出身ですが、英国に留学してヴィヴィアン・ウエストウッドでインターンを経験した後、ニューヨークのアレクサンダー・マックイーンで働くようになり、次世代のファッション・デザイナーを発掘するリアリティ番組『プロジェクト・ランウェイ』第4シーズン(2007年)に出場して最年少で優勝を果たし、2008年にコレクションに初登場しました。ポスト・マークジェイコブスとも称され、レディ・ガガ、リアーナ、テイラー・スウィフトらの衣装を手がけ、2016年には、アシュリー・グラハムをはじめとするプラスサイズのモデルをコレクションに起用し、美の多様性をドレスで証明しました。2018年のアカデミー賞授賞式では、17名もの女優やセレブにドレスを作り、高く評価されました。現在は米国ファッションデザイナー評議会のメンバーでもあります。
参考記事:
Christian Siriano and His Team Are Making Masks for Medical Workers(Advocate)
https://www.advocate.com/health/2020/3/20/christian-siriano-and-his-team-are-making-masks-medical-workers